10月17日 カラオケ文化の日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。カラオケでの十八番は「アメイジング・グレイス」
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。カラオケでの十八番は「マリーゴールド」
ここはとある郊外のコンビニ。
「1人○○っていろいろあるじゃないっすか」
「1人○○?1人ぼっちとか?」
「なんで最初に出てくるのがそれなんすか…ほら、1人焼肉とかみたいな」
「ああ、なるほど。1人でやる外食とかレジャーとかってことか。それがどうかした?」
「高橋さんってぼっちキングって呼ばれてるじゃないっすか?だからそういうのも経験豊富なのかなーって思ってですね」
「誰だ、そんな呼び方をしてる奴は…うーん…外食とかは1人ですることが多いけど、それ以外はあんまりかな。特にやることないときは家に篭ってることが多いし」
「あ、そうか。ぼっちでヒッキーで陰キャだとそうなっちゃいますね」
「たまに君は直球の毒を吐いてくるな…まあいいけどさ。でもなんで急にそんな話を?何か1人でやろうとしてることでもあるの?」
「実はそうなんすよね…高橋さんは1人カラオケってどう思います?」
「あー、それもよく聞くな。自分の好きな歌を好きなだけ歌えていいんじゃない?やったことはないけど」
「そうっすよね!練習したい歌なんかもあるんでやってみたいなーって思ってるんすけど、ふんぎりがつかなくて…」
「ふむ。具体的にはどういうところが気になってるんだ?」
「たとえば…友達に見られたらどうしようとか…いや、普通に説明すればいいだけなのはわかるんすけど…」
「なるほどな。どうしても気になるなら変装するとか?店長のおすすめコーナーに変装セットが売ってたぞ」
「いやさすがにそこまでしてまでは…でもこのセットすごいっすね。マスクとサングラスにウィッグまでついてるじゃないっすか」
「しかもマスクにはボイスチェンジャー内蔵らしい」
「すごい!コナンくんみたいっすね!」
「さらにサングラスからはマイナスイオンが出る!」
「…それは別にいらなくないっすか…?」
「それは置いておいて、行く時間をずらすとかかな。講義とかがない平日昼間とかだと知り合いも少ないんじゃない?」
「なるほど…あとは店員さんの目っすかねぇ…気にしすぎだとは思うんすけど、『ぼっちなんだ』とか、『友達いないのかな?』とか『記念日大好きおじさんだ』とか思われたりしてたらと思うと…」
「待て、最後のは俺へのピンポイント攻撃じゃねーか!…まあ実際どう思われるかはわからないけど、最近は1人カラオケする人も増えてるだろうし、気にしなくていいんじゃないかな」
「そうっすよねぇ…頭ではわかってるんすけど…」
「一回行ってみると大したことなくなると思うけどな。あと、今日はカラオケ文化の日って記念日だし、カラオケ行くにはぴったりだと思うぞ」
「カラオケ文化の日?カラオケの日じゃなくてっすか?」
「ああ、カラオケの日は別にあるんだ。カラオケ文化の日は全国カラオケ事業者協会ってとこが制定した日で、カラオケを通じた文化活動などの支援を行うらしい。日付はその協会の設立日に由来してる」
「へー。ちなみにカラオケの日はいつなんすか?」
「1月19日。NHKラジオでのど自慢素人音楽会が始まった日らしい。のど自慢の日とも呼ばれてる」
「ふむふむ。…でもせっかくそんな記念日があるのなら、今日1人カラオケに挑戦してみようかな…でもなぁ…」
「珍しく二の足踏んでるな。いつも行動力の塊って感じなのに」
「うーん…高橋さんは1人カラオケしてみたりしないんすか?」
「あんまり歌うの自体そこまで好きなわけじゃないし。カラオケに行ったもの人生で1,2回ぐらいで、歌ったのも2,3曲ぐらいだな」
「ふーん…はっ!じゃあ高橋さん、一緒にカラオケ行きましょうよ!ぼくがずっと歌いますんで!もちろんお金はぼくが出しますし!」
「なるほど、疑似的は1人カラオケにするってわけか…まあ別にいいけど」
「決まりっすね!じゃあ最初は軽めに8時間ぐらいっすかね!」
「えっ、軽めでそれ⁉︎」