10月14日 焼うどんの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。焼うどんは土曜のお昼ごはんのイメージ。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。焼うどんは父親の料理のイメージ。
前日からの続きです。
ここはとある郊外のコンビニ。
「本当に申し訳ありませんでした」(土下座)
「ど、土下座はやめてくれ…ほ、ほら、もう過去のことだし全然気にしなくていいって」
「いやこればっかりは…ほんとにシャレにならないんで…」
「コンビニで土下座されてることの方がシャレにならねぇよ…ほら頭挙げて…ッ!…顔真っ青だぞ…」
「だって…ぼくが大怪我させたのに…気づきもしないで…ぼくは…」(じわ…)
「な、泣かないでくれよ。大丈夫だからさ」
「ごめんなさい…ごめんなさい…」(ポロポロ)
「…(なんだかんだ優しいよなぁ、この子。気にするだろうから肋骨折れたこと言わなかったけど、裏目だったか…悪いことしたな…)」
「ひっく…すみません…すぐに…泣き止むので…」(ポロポロ)
「…よし!決めた!あのとき肋骨2本折れたから、田中くんに2つお願い事をきいてもらおう!それでチャラにしようと思うけど、どうだ?」
「ひっく…はい…なんでもやります…」
「1つはこの件は今後持ち出さないこと。今日限りでおしまいだ」
「えっ⁉︎でも…」
「なんでもやるんだろ?」(ジー)
「うっ…はい…すみません、ありがとうございます」
「もう1つは…今度焼うどんを作ってくれ」
「…焼うどん、っすか?」
「うん」
「…な、なんで焼うどんなんすか?」
「日付変わって今日が焼うどんの日だからだ」
「焼うどんの日?」
「ああ。小倉焼うどん研究所ってとこが制定した記念日だ。小倉の焼うどんを全国に広めるのが目的だそうだ。日付は2002年10月14日に、静岡県富士宮市の「富士宮やきそば学会」との対決イベント「焼うどんバトル特別編~天下分け麺の戦い~」を行ったことに由来してる」
「はあ…それはわかったんすけど…そんなんでいいんすか?」
「バカヤロウ、こんな機会がなければ手料理作ってくれなんてお願いできるか。ぼっちを舐めんなよ」
「そんなに堂々と言わなくても…」
「それに俺は記念日大好きおじさんだからな。うちの弟も言ってたよ。とりあえず記念日に関することしておけば喜ぶからチョロいって」
「…それ、面と向かって言われたんすか…ちょっとなめられすぎじゃありません…?」
「そうか?…そういわれてみるとそうだな…」
「ちなみにそれ言われたときなんて返したんすか?」
「えっと…『たしかに!』って…」
「プッ…ふふふ、なんすか、その反応?も、もっと兄の威厳を出していかないと…ふふふ」
「…やっぱり田中くんは笑ってる方がいいな。泣いてる田中くんをみるくらいなら、骨折られる方が数倍マシだよ」
「う…/// …ありがとうございます/// や、焼うどんっすね!任せてくださいよ!インド人もビックリの焼うどんを作りますからね!」
「インド人関係ないだろ…まあ楽しみにしてるわ。しかし、俺は骨が弱いのかな…よく考えたら毎年のように骨折するのはおかしいよな?」
「そうかもっすね。骨を強くするといえば、牛乳を飲むとか…あっ、バッファローマンのロングホーンを埋め込むのはどうですか?」
「どこのキン肉マンだよ…できれば現実的な方法を頼む」
「うーん…ん?店長のおすすめコーナーにバッファローマンの腕のサポーターみたいなの売ってません?」
「ほんとだ。店長特製、か…作者の許可取ったのかな…?…つーかこれ本物の鉄でできてるんだけど…」
「すごい!原作再現っすね!これつけて鍛えれば骨折しなくなりますよ!」
「つけただけで骨折れるわ…」