表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日は何の日  作者: 毎日がエブリデイ
125/365

10月12日 豆乳の日

高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。豆乳は好き。湯葉も好き。

田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。豆乳は好き。豆乳鍋も好き。

ここはとある郊外のコンビニ。


「さっきの休憩時間、クッキー食べてませんでした?」


「ん?ああ。食べてたけど、どうかした?」


「いや、高橋さんがそういうの食べるの珍しいなーって思って。どこで買ったんすか?」


「いや、貰い物。作り過ぎたからお裾分けってことでもらったんだ」


「へ、へー、そうなんすかー 誰から貰ったんすか?」


「店長からだよ。今度おすすめコーナーに並べる予定らしくてな。その試作品だそうだ」


「なんだ、そういうことっすか。美味しかったっすか?」


「ああ、かなり。もう少しあるけど食べてみるか?ちょうど客もいないし」


「いいんすか⁉︎ぜひぜひ!」


「ちょっと待っててくれ…はい、これ」


「いただきます!もぐもぐ…甘さ控えめで美味しいっすね!でもなんか普通のクッキーと違うような…もしかしてこれおからクッキーじゃないっすか?」


「すげぇ!よくわかったね!俺は言われなきゃ絶対わからないと思うわ」


「ふふん!まあこのくらい朝飯前っすよ!ぼくは神の毒舌を持ってると言われてますからね!」


「それ味覚と関係なくないか…まあいいか。なんか店長が豆腐を作るのにハマってるらしくて、おからがめちゃくちゃ余ってるらしい」


「それで今日のおすすめコーナーもおからだらけなんすね。…豆腐って個人で作れるものなんすか?」


「できなくはないんじゃないかな。大豆を水に浸してすり潰して、煮てこしたのが豆乳だろ?それににがりなんかの凝固剤を入れて固めたのが豆腐だ」


「豆乳って豆腐の前段階なんすね。あれ?おからはどこで出てくるんすか?」


「こした残りのとこがおからだよ。豆乳とか豆腐を作ると必ずセットで出てくることになるな」


「なるほど。でもおからも嫌いじゃないっすけど、このクッキーはなおのこと美味しいっすね。どうやって作るんだろ?」(もぐもぐ)


「企業秘密って言ってたな。でもちょっと意外だ。田中くん豆腐嫌いみたいだったから、おからも好きじゃないのかと思ったよ」


「えっ?ぼく豆腐嫌いじゃないっすよ?」


「あ、そうなの?でも湯豆腐にはブチギレてなかった?」※10月2日参照


「あれは湯豆腐が『私が主役です』って顔をしてるからっすよ。高橋さんもよく考えてみてくださいよ。今日のメインは豆腐と昆布を茹でたものです、って言われたら怒りません?スーパーサイヤ人になっちゃいますよ」


「そんなにか…というより昆布は食べないんだっつうの」


「豆腐自体は好きですよ。豆乳だって毎日飲むくらい好きっす」


「そうなんだ。健康的だな」


「でしょ!もう5.6年ぐらい続けてますからね!豆乳にはあれが入ってますからね。あの…イソギンチャクみたいな」


「イソフラボンな。でも、5.6年前っていったら中高生ぐらいじゃないか?そんな時期から健康に気をつけてたんだな。やっぱりスポーツしてたから?」


「え、ええ、まあそんなとこっす」


「? なんか歯切れ悪いな。あっ、そういや今日は豆乳の日だぞ」


「へー、そうなんすか。なんで今日なんすか?」


「10月なのは体育の日、今はスポーツの日か、それがある月で健康や体に気をつける月だからで、12日なのは『十 二』で『とう にゅう』の語呂合わせからだな。日本豆乳協会が制定した記念日だ」


「日本豆乳協会…日本にはなんでも協会がある説が濃厚になってきましたね…」


「そういえばうちの妹も中学時代に毎日豆乳飲んでたな。数ヶ月でやめてたけど」


「なんでやめちゃったんすか?好みじゃなかったとか?」


「それが…豆乳にな、なんかこう…胸を大きくする効果があるって聞いて始めたらしいんだけど、それがガセだったって知ったらしくて。それで飲むのやめたらしい」


「…えっ?」


「ん?どうした?」


「イヤ、ナンデモナイッス」


「なんでもなくは見えないが…胸の大きさなんてどうでもいいだろって言ったんだが、その時の彼氏が巨乳好きだったそうでな。…思えばあいつは中学時代から恋人がいたんだな…はあ…」


「…そんなこと言って、高橋さんも胸が大きい方が好きなんでしょ?どうせ…」


「なんだ、どうせって…まあ魅力的だとは思うけど、そんなのどうでもいいだろ。もっと大事なことがあるさ」


「ふーん、たとえばなんすか?」


「そうだな…無視せずに話をしてくれるとか…」


「基準が低すぎるでしょ…悲しくなるからやめましょ…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ