6月21日 スナックの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。好きなスナック菓子はカラムーチョ。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。好きなスナック菓子はポテトチップス コンソメパンチ。
店長 店内に謎のオススメコーナーを作成している。
田所 バイト仲間。親戚が亡くなったことにしてバイトをサボる常習犯。
ここはとある郊外のコンビニ。
「突然夜中にポテチ食べたくなることありません?」
「唐突だな。まぁあるけど」
「それはいつか?今でしょ!って感じなんすよ」
「そ、そうか。じゃあ休憩時間に食べたらいいんじゃないか?」
「それが最近食べ過ぎなんで節制しようと決めたばっかりなんすよ…ああ…でも死ぬほど食べたい…」
「節制始めたから食べたくなったってのもありそうだな…あっ、店長のおすすめコーナーにスナックエンドウが置いてあったぞ」
「いや、食べたいのはスナック菓子の方なんで…ていうかあのコーナー、野菜も取り扱い始めたんすか…」
「いやスナックエンドウとスナップエンドウだけ置いてある」
「それおんなじものじゃなかったっすか?」
「しかし、食べたいけど食べられないか…今日はちょうどスナックの日だけどそれは関係ないしな」
「えっ、今なんて言いました?」
「いや、今日はスナックの日だって…」
「それなら仕方ないっす!年に一度のスナックの日っすからね!スナック菓子を食べなきゃいかんってもんすよ!」
「いや別にそういう日ってわけじゃ…」
「いやー、仕方がない!仕方ないなー!」
「…まあ別にいいけどさ…そんな太ったようには見えないし」
「ちっちっちっ、甘いっすね。ぼく脱ぐとすごいんすよ!」
「その誤解しか生まない言い方はなんとかならんのか」
「でもなんでスナックの日なんすか?」
「昔は夏至に歯固めっていって固いもの食べて長寿祈願みたいなのをやってたんだよ。そのとき食べてたのがかき餅とかあられみたいなのとかちまきとかいわばスナックのはしりみたいなやつだったらしい。それで夏至になることの多い6月21日をスナックの日にしたんだ」
「へー。でもあられはともかくちまきはスナック菓子って感じじゃないっすね」
「まあスナックって言葉が軽食とか間食って意味だからな。だからスナック菓子だけの日じゃないし、別に食べなくても」
「あーっと、えーっと、あっ!じゃあスナック菓子ってどんなものを指す言葉なんすか?」
「うーん、実ははっきりした定義は決まってなくて穀物などの炭水化物の原料を油で揚げて調理したものっていう共通理解はあるらしい」
「じゃあ野菜チップスはスナック菓子じゃないんすか?」
「どうなんだろ?逆に厳密な定義がないから一般的にスナック菓子だと言われてたらスナック菓子なんじゃないか?」
「ふわっとした感じなんすね。でもそこもスナック菓子っぽいっす」
「だな。そういえば田所さんの行きつけのスナックにスナック菓子って名前のメニューがあるらしい。日替わりで適当なものが出るんだと」
「スナックで出すからなんでもスナック菓子ってことっすね。ちなみにどんなものが出るんすか?」
「純露とかぽたぽた焼きとか謎の四角いゼリーみたいなのとか」
「おばあちゃんの家で出るやつじゃないっすか」
「おにぎりとかサンドイッチとか」
「お菓子ですらなくなってる!」
「わかもととか正露丸とか命の母とか出るらしい」
「食べ物ですらないじゃないっすか…」
登場人物紹介をつけるようにします。
作中には2人しか出てきません。