9月27日 女性ドライバーの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。縦列駐車はもうできないと思う。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。意外と教習所での成績は優秀。
ここはとある郊外のコンビニ。
「高橋さん!ついにやりましたよ!」
「ん?何を?」
「これを見てくださいよ!」
「おっ!運転免許証じゃん!試験まで終わったんだ?」
「そうなんすよ!一発合格っす!」
「おー、さすがだねぇ。おめでとう」
「ありがとうございます!ふふふ、ちなみにこの免許証見て気がつくことがないっすか?」
「どれどれ。うーん…あ、いい写真だな。可愛く撮れてる」
「あ、そうっすか?///へへへ!…じゃなくてですね。いや、そこも重要なんすけど、同じぐらい大事なとこがあるんすよ!」
「えー?んー、あっ、オートマ限定じゃない⁉︎マニュアルで取ったんだ?」
「お気づきになられましたか!まあぼくの技量を持ってすれば容易いことでしたがね!」
「すごいなぁ。尊敬するわ」
「ふふーん!もっと褒め称えて、ぼくを祀る宗教を作ってもらってもいいっすよ!」
「いや、そこまではないけど…車は買う予定はあるの?」
「今のところないっすね。まあでも高橋さんの車はぼくの車みたいなとこありますからね」
「ねーよ。でも使いたいときは言ってくれよ。貸すから」
「はい、お願いします!そうだ、早速ドライブに行きましょうよ!この前約束したじゃないっすか!」※8月19日参照
「そうだったな。どこか行きたいとこある?」
「そうっすね…沖縄か韓国に行きたいっす」
「どっちも海渡らなきゃいけねーじゃねーか。水陸両用車にでも乗るつもりか?」
「どちらかというと変形して空を飛べる車の方がいいっすね!」
「どっちにしろ普通免許だけじゃ運転できないと思うぞ…」
「ちぇー。あっ、でも初心者マーク買っとかないと。店長のおすすめコーナーに10枚セットがありましたね」
「10枚もいらないだろ…というか10枚セットが必要な状況が思いつかないんだが…」
「言われてみればたしかに…でもめっちゃ売れてますね…あと2つしかないっすよ」
「相変わらず謎が多いコーナーだな…しかし、免許ねぇ…そういえば今日は女性ドライバーの日だな」
「なんですかそれ?女性ドライバーを応援する日みたいなやつっすか?」
「1917年のこの日に栃木県の渡辺はまさんが、女性としては日本初の自動車の運転免許を取得したらしい。それを記念した日だな」
「へー。何かイベントとかやってるんすか?」
「いや、特に聞いたことないな。というより誰が制定したのかもはっきりしてない」
「なんかたまにありますね、そういう記念日…よし!じゃあぼくが記念したイベントを企画しましょう!そうですね…この日は女性は法定速度の5割増しで運転できるようにします!」
「危ないからボツだ。絶対事故が増えるわ」
「ダメっすかね〜 盛り上がると思うんすけど…あっそうだ。実は免許取って困ってることがひとつあるんすよ」
「困ってること?」
「はい。前に下半期の目標を立てたじゃないっすか?ぼくの目標、免許を取ることだったんすけど、下半期を半分残して達成してしまって、目標がなくなっちゃったんすよねー」※6月30日参照
「ああ…困ってる風を装った自慢だったか…」
「いやー自分の才能が怖いっすね!高橋さんは目標なんでしたっけ〜?たしか…何か作るとか言ってませんでしたか〜?」
「…君、わかってて言ってるだろ…『彼女を作る』が目標だよ…」
「あー、そうでしたそうでした!で、どうっすか?進捗は?彼女できそうっすか?」(ニヤニヤ)
「テメェ…できる気配は微塵もないよ…でもこの3ヶ月何もしてないわけじゃないぞ。ちゃんと準備はしてる」
「えっ⁉︎へ、へー、じゅ、準備っすか。ち、ちなみに何をしてるんすか?」
「ああ、いつもより貯金するようにしてるぞ」
「…ん?それが彼女を作ることに繋がるんすか?」
「いや、貯金しておけば、田中くんが何を奢れって言ってきても対応できるだろ?」
「…目標達成できなかった準備をしてどうするんすか…ぼくがいうのもなんですけど、あと3ヶ月ありますし頑張りましょうよ!」
「ああ、もっと貯金するようにするわ」
「そっちじゃなくて!」