表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日は何の日  作者: 毎日がエブリデイ
108/365

9月25日 骨董の日

高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。骨董品をみるのは好き。審美眼はよくない。なんでも良く見える。

田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。骨董品は意外と好き。なんでも鑑定団が好き。

ここはとある郊外のコンビニ。


「今日の店長のおすすめコーナーは駄菓子特集っすか」


「懐かしいな。つーかこんなに安かったっけ?」


「10円、20円のも多いですし、高くても100円しないのがすごいっすよね」(ヒョイ ヒョイ)


「いや買いすぎだろ…箱で何個買うんだよ…」


「まあ大人なんで。大人買いが基本っすよ」(ヒョイ ヒョイ)


「まだ追加してるし…まあいいけどさ」


「でもこのコーナーも不思議っすよね。こういう安いもののときもあれば、謎に高いもの売ってたりするじゃないっすか」


「ああ、隕石とかな」※9月2日参照


「ああ、ありましたね…80万円でしたっけ?コンビニで売る値段じゃないでしょ…」


「そういや4年ぐらい前の店長が出してるフリーペーパーの記事におすすめコーナーの歴代最高額が書いてあったな。たしか…腕時計で800万円とかじゃなかったかな」


「は、800万っすか⁉︎そんなの売れるわけ…いや、この店なら売れるかもしれませんね…」


「実際に売れたかは書いてなかったな…どうなったんだろう?…あーでももしかすると将来的に一番高くなるのは、店長の木彫りの作品だったりするかもな」


「あっ、その可能性ありそうっすね!素人目に見てもほんとに出来がいいっすもん。骨董品みたいな感じで値段が上がりそうっす」


「今度売ってたら買ってみるかな。ちなみに今日は骨董の日っていう記念日だぞ」


「骨董の日?」


「美術品とか骨董品のオークションとかをやってる株式会社古裂會ってとこが制定した記念日だ。骨董品を多くの人に愛してもらうきっかけになるようにってことで作られたらしい」


「ほうほう。9月25日なのは理由があるんすか?」


「江戸時代に山東京伝って人が骨董集って本を書いたんだけど、その上巻に書かれた日付が9月25日だったことに由来してるそうだ」


「へー。その骨董集っていうのは骨董品がいっぱい載ってるんすか?」


「いや、江戸時代の風俗や服飾なんかの起源とか変遷について考察したものらしい」


「え?それじゃ骨董品と関係ないじゃないっすか」


「元々は骨董って言葉は古くて役に立たないものとかごたごたしたつまらないものって意味で使われてたんだ。それが室町から江戸時代にかけて古人が使ってた陶器やらに価値を見出して身近に置く文化が文人たちの中にできて、それに骨董って言葉が使われるようになったらしい。その使い方を広めるのに一役買ったのが骨董集ってわけだ」


「なるほど…わかったような、わからないような…」


「まあざっくりその本のおかげで骨董にいいイメージがついたって考えればいいんじゃないかな」


「なるほど!完全に理解しました!骨董品はいいものってことっすね!」


「ほんとに理解してんのか…?」


「そういえば骨董品ってどのくらい古いものを骨董品っていうんすかね?」


「海外の基準で100年以上経ったものをアンティークっていうってのがあった気がする。骨董品も同じような感じなんじゃないかな」


「100年か〜 よし、決めました!店長の作品が骨董品になったらお祝いに飲み会を開きます!高橋さんの家で!」


「勝手に決めるな。というか100年後ってほぼほぼ死んでるだろ」


「そんな!勝手に死なれたら困りますよ!どこで飲み会やればいいんすか⁉︎」


「心配するとこそこかい!でも100年後だったら君も生きてるか危ういだろ?」


「大丈夫っす!ぼくまだ死んだことないんで!もしかしたら不死身かもしれないじゃないっすか!」


「ポジティブにも程があるだろ…ある意味天才的だわ…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 高橋さんの家で、全員幽霊の状態で集まることになるのでしょうか? 移動は、精霊馬に乗って?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ