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今日は何の日  作者: 毎日がエブリデイ
107/365

9月24日 清掃の日

高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。こまめに掃除するタイプ。

田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。まとめて掃除するタイプ。


武たち 高橋の家に住み着く幽霊一家。3人+きゅうりの馬。

ここはとある郊外のコンビニ。


「…」(ゴシゴシ)


「やぁーケイティ。何をしてるんだい?」


「ん⁉︎な、なんだ⁉︎どうしたんだ急に⁉︎」


「フライヤーの掃除だね。ひどい油汚れだ。大変だろう?」


「なんだ、その喋り方…でもどこかで聞いたような…」


「そんなときにはこれ!店長印の特別洗剤!これでしつこい汚れもイチコロさ!」


「ああ…深夜のテレビショッピングだったか…」


「もう!少しぐらいノッてくれてもいいじゃないっすか!」


「いやいきなりは無理だろ…その洗剤は店長のおすすめコーナーに置いてるやつか」


「そうっす。この洗剤見たことないやつなんすけど、店長が作ったんすか?」


「知り合いの会社で作ってるやつじゃなかったかな。油汚れはめっちゃ落ちるらしいぞ。根強いファンも多いな」


「へー。買ってみようかな…高橋さんは使ったことあります?」


「いや。…前に店長が『うちで売ってる分には特別な処理をしてるからなんでも落とせるぞ。たとえば地縛霊を地獄に叩き落としたりな』って言ってたから怖くて使ってない…」


「その話早く教えてくださいよ!ちょっとすぐに棚に戻してきます…」


「まあ生きてる人間には普通に使うだけなら特に影響ないって言ってたけどな」


「どんな処理をしてるんすかね…でも今日はやけに熱心にフライヤー洗ってますね」


「ん?ああ、今日は清掃の日だからな。普段より念入りに掃除しようと思って」


「清掃の日?あれ?うちの店そんなのありましたっけ?」


「いや、全国的なやつ。1971年のこの日に『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』が施行されたことから、環境省が毎年実施してるんだ」


「へー、そうなんすね。よし!それならぼくも店内の清掃をやりますかね!」


「おっ、やってくれるか!」


「はい!どうせお客さん来なくて暇ですし!」


「たしかにな!」


「「わはははは!」」


「…ほんとに大丈夫かこの店…?」



「ふう。床もピカピカになりましたよ!」


「おっ!さすがだな!こっちもフライヤーとホットスナックの棚がピカピカになったとこだ」


「マジで新品同様っすね!よくこんなに汚れが落とせましたね!」


「なんかいつもよりきれいに落ちたんだよな…はっ、まさか…流しに置いてある洗剤が店長印のになってる…」


「図らずも効果を実証しちゃいましたね…」


「武さんたち大丈夫かな…しっかり手を洗って帰ろう」


「さすがにその場で使わなければ大丈夫じゃないですかね…多分…」


「店長印だから何が起こってもおかしくない気がしちゃうんだよ…あー、そういえばこの洗剤、意中の人を落とす力もあるって言ってたな」


「えっ?飲ませて昏倒させるとかって意味っすか?」


「同じことを店長に聞いたよ。『バカ、フォーリンラブさせるってことだよ』って言われた」


「えぇ…媚薬じゃないっすか…」


「特定の行動をしないと効果が出ないようになってるらしい。意味がわからないが…」


「オカルトってことっすかね…?ちなみにどうやるんすか?」


「えっと、まず意中の人がいる空間でこの洗剤を使うだろ?」


「ふむふむ」


「そして左手で相手の右手を握る」(ギュ)


「は、はい」


「右手を相手の頬に添える」(そっ)


「う…あ…」


「そして相手の目を見ながら愛の言葉を、囁くんだけど…」


「…///」


「た、田中くん」


「はい…」


「あい

(ユーガッタメール!)


ッ!メ、メールが来たみたいだ!すまん、ちょっと確認してくる!」


「は、はい!どうぞ!」


「(何を口走るつもりだったんだ、俺は⁉︎洗剤の力か⁉︎)」


「…///」(ドキドキ)



「お待たせ…」


「あっ、いえ…さ、さっきの着信音は武さんからっすか?ど、どんな内容だったんすか?」


「ああ…なんか嫌な予感がしたから2.3日帰ってくるなとのことだ…成仏ならまだしも地獄に落ちるのは勘弁してほしいらしい…」


「…あの洗剤ほんとにヤバいものなんじゃないっすか…?」


「そんな気がしてきた…」

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