9月16日 オゾン層保護のための国際デー 9月17日 イタリア料理の日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。好きなイタリア料理はマルゲリータ。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。好きなイタリア料理はティラミス。
ここはとある郊外のコンビニ。
「いよいよ明日っすね!」
「ああ、洋食屋、楽しみだわ。ごめんな、夜に変更しちゃって」※9月8日参照
「いえいえ!ディナーのメニューも気になってたんで、むしろありがたいっす!」
「そう言ってもらえると助かるよ。しかし、店のホームページ見たけど、少し変わったメニューもあるんだな」
「変わったメニューっすか?なんかありましたっけ?」
「この前君が頼んだっていうシシリアンライスとか、あとはボルシチとかケバブもあるって書いてあったぞ」
「あー、言われてみればたしかに…多国籍な感じっすね」
「それでいて行列ができるほど美味しいんだろ?楽しみだわ」
「待ち遠しいっすね!あー、早く明日にならないっすかねー」
「そうだな。…しかし今日も暇だな…」
「暇だと時間経つの遅いっすよね…よしっ、こんなときはあれっすね!大将!いつもの!」
「行きつけのラーメン屋か。記念日の話でいいのか?」
「もちろんっすよ!高橋さんといえば記念日、記念日といえばサラダ記念日でしょ!」
「俺に戻ってきてないんだが…まあいいや。今日はオゾン層保護のための国際デーだな」
「あっ、すみません、ぼくオゾン層アレルギーなんで、他の記念日してもらっていいっすか?」
「斬新だな、その言い訳…」
「ほんとは思う存分オゾン層について語りたいんすけどねー。こればっかりはしょうがないっすねー」
「棒読みにも程があるな…まあいいけど。えっと他の日は…」
ぽっぽー ぽっぽー ぽっぽー
「あっ、0時になりましたね」
「つーか、今日は1時間ごとにこれ聞くのか…」
「まあしょうがないっすよ。店長のおすすめコーナーが鳩時計フェアやってるんすから。でもぼくこの音は割と好きっすけどね」
「いや俺も嫌いじゃないけどさ…さすがに10台同時に鳴るのは勘弁してほしいわ…」
「朝までの辛抱っすよ。さて、0時になりましたし休憩に入りますかね」
「そうするか。お先にどうぞ」
「じゃあお言葉に甘えて。あっ、今日お弁当作って来たんすけど、どうっすか?」
「マジで⁉︎ありがとう!ぜひいただくわ!」
「ふふふ、じゃあ机の上に置いときますんで」
1時間後
「ありがとう。マジで美味しかったわ!このお礼は必ず」
「いえいえ、ついでですし。あっ、それならお礼は体で払ってもらいましょうかね、ぐへへ」
「な、なんだ?地下収容施設で強制労働でもさせられるのか…?」
「カイジじゃないんすから…今日はなんの日か聞かせてくださいよ!日付変わって17日の!」
「16日のはいいのか?」
「ぼくは過去は振り返らないんで!…ちなみにどんな日があるんすか?」
「メキシコの独立記念日とか」
「あー、宗教上の理由で独立記念日については話せないんすよ。17日のにしましょう」
「どんな宗教だよ…えーっと9月17日だろ…イタリア料理の日だな」
「イタリア料理っすか!いいじゃないっすか!ディ・モールトいいっすよ!」
「…5部を読み返したくなってきたな…えっとイタリア料理の普及・発展、イタリア文化の紹介、調理技術・知識向上を目的に制定された記念日だ。日付はイタリア語で料理を意味する『クチーナ(cucina)』の語呂合わせから決められてる」
「なるほどー でもイタリア料理ってかなり身近な存在っすよね」
「そうだな。個人的にはサイゼリヤのイメージが強いかな」
「ぼくは母が作ってくれた料理の印象が強いっす。パニーニとかアクアパッツァとか。あとはリゾットとかプロシュートとかペッシとかっすかね」
「…後半は暗殺チームの人たちじゃないか?そういや明日行く洋食屋にもイタリア料理のメニューがなかったっけ?」
「ありました、ありました。たしか…とんかつナポリタンがあったと思います」
「いやそれイタリア料理じゃないだろ…というよりなんだよその組み合わせ…」
第100回です。
いつもお読みいただきありがとうございます。
本日は合併号のため明日は本編はお休みです。
別の連載小説として番外編を投稿します。
どうぞよろしくお願いします。