6月19日 ベースボール記念日
ここはとある郊外のコンビニ。
「急にアイス食べたくなってきた」
「すみません、ごちそうさまです!」
「いや奢るとか一言も言ってないからな。まぁいいけど」
「マジっすか!ヒャッホー!言ってみるもんっすね!」
「わかってると思うけど休憩時間に食べるんだぞ」
「わかってるっすよ!あっ、でも今から選んどきますね!ちょっと見に行ってきます!」
「お前バイト中にアイス選ぶやつがあるか。俺も行くわ」
「えーっとどれにしようかなーこの季節だしガリガリ君っすかねー?スイカバーもいいなぁ」
「悩むなぁ…おっ、ホームランバーがある!めっちゃ懐かしいな!これにしよ」
「へー、コンビニに置いてあるの珍しくないっすか?ん?…高橋さん。ホームランバーが置いてある一画、店長のおすすめコーナーって書いてあるっす…」
「えっ、あっ、マジだ…アイスコーナーにも浸食してたのか…」
「ってことはこのメロン型の容器に入ったシャーベットも…やっぱり店長のおすすめコーナーっす…」
「いつの日かこの店あいつの好きなものだけを売る店になるんじゃないか?」
「まあでもこのチョイスはナイスっすよ!ぼくもホームランバー久々に食べてみるっす」
「そういや今日はベースボール記念日だったな。そういう意味でもちょうどいいか」
「へー、今日って野球の日なんすね」
「いや、野球の日は8月9日。今日はベースボール記念日」
「えぇ、なんすかその細かい違いは…」
「ちなみにプロ野球の日が2月5日で、草野球の日が9月3日だ」
「さらに細かくなった…なんで今日はベースボール記念日なんすか?」
「1846年の6月19日に初めて公式記録に残る野球の試合がニュージャージー州で行われたらしい」
「へー」
「田中くんは野球はあんまり?」
「ルールは知ってるぐらいっすね。でも兄が中学高校と野球部だったんで時々応援に行ってましたよ」
「へー。でも家族が応援に行くぐらいってことはお兄さんは上手かったのかな?」
「そうっすね。高校は名門校ではなかったっすけど兄の代で地方予選の決勝まで行ってました。うちの兄は4番キャッチャーっす!」
「おー、そりゃすごい!ドカベンじゃん」
「ちなみに兄の名前は田中太郎っす」
「惜しいな、ぜひ山田であって欲しかった」