表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
51/96

51.食材探し

「らっしゃい、らっしゃ~い!おねえさん見てってー!」


「安いよ、安いよー!」


「朝採れの野菜はいかがですかー!」


次の日、俺は予定通り食材探しのために市場へ来ていた。


ちなみにリンたち4人組も一緒だ。


どうしてかというと、昨晩こんな会話をしていたのだ。


----------------------


「マモルさん、ずいぶんと熱心にお肉屋さんと話していましたね」


ドリンさんにごちそうになって戻ると、ポールにそんなことを言われた。


「え?ああ、お休み処(ここ)でも飲み物だけじゃなくて、ツマミになるものを何か出せないかなと思ってさ」


「それって、料理を出すってことか?」


ポールの質問に答えていると、注文を受けてやって来たネイサンが、横から聞いてくる。


「そうだな、エールに合って簡単につまめるものをな」


「ふーん。マモルさんは、なんか考えている料理でもあるのか?」


いつになく真剣な顔で、さらに聞いてくる。


「まあね。ドリンさんにご馳走してもらったもので、思いついたものがあるんだ」


「へー。どんな料理なんですか?」


後から来たリンが聞いてきた。


「ピザっていう料理だ」


「「「「ピザ?」」」」


遅れて来たキースも含めて、4人が同時に首をかしげる。


「なんかよくわかんないけど、面白そうだな!」


そして、ネイサンが続けてニヤリと笑う。


「ネイサンは料理が好きだもんねー」


それを見たキースが笑って言った。


「へーそうなのか?見た目はそんなタイプじゃないと思ってた」


「タイプじゃないってどういうことだよ!」


「ネイサンのお料理はボクも大好き」


「確かに、リンより上手いかも」


「ちょっと、ポール!ひどい!!」


「ゴメン」


ネイサンは、どちらかというと体を動かすこと・・例えば、喧嘩とか戦闘とか・・そんなことが得意なのかと思っていた。


「なんだよ!もちろん、喧嘩とか戦闘とかも好きだけどよ。それよりもっと好きなのは料理なんだ。悪いか?!」


「いや、悪くないよ。じゃあ、よく料理はするんだ?」


「ええ。私たち登録はまだなんですけど、冒険者になってパーティーを組もうと思っているんで、時々予行練習で獣狩りに行くんです。その時のアタッカー兼料理番がネイサンです」


ポールが眼鏡の端を指先でくいっと上げて言った。


「そうか・・・じゃあ、お休み処(ここ)で出すツマミの料理も、ネイサンに頼もうかなあ」


「え?いいのか?!ぜひやらせてくれ!!」


「まあでも、腕前を見てからだな」


「わかった!まかせとけ!!」


ネイサンが、目をキラキラさせて握りこぶしを作る。


「その前に、俺が考えている料理の材料が揃うか、明日市場へ買い出ししなきゃだけどな」


「おお!じゃあ俺も付いて行っていいか?」


「そうだな、料理が得意なら色々と食材のことも詳しいだろうし」


「よし!!」


----------------------


てなわけで、ネイサンにもれなく他の3人も、例のごとく付いてきたということだ。


「マモルさん、そのピザってやつに必要な食材って、どんなものだ?」


市場を歩きながら、ネイサンが言ってくる。


「そうだな、まず必要なのが小麦粉だ。これは、パンに使うものと同じでいいから、穀物屋で買えばいい」


「おう」


「それと、塩。これも調味料屋で手に入るよな?」


魔法で作れそうな気もするけど、今はやめておこう。


「高いけど」


「まあしょうがないな。それから一番大事なのはトマトなんだけど、あるかな?」


「トマト?なんだそれ?」


えー、トマトは無いのか!


それはまずいな・・。


「赤い野菜なんだけどな・・」


「赤い野菜かあ・・・もしかして、トマテのことか?ほら、これ!」


ネイサンが、八百屋の前で立ち止まり、店頭にうず高く積まれている野菜を手に取る。


「これか?なんかリンゴみたいだな・・」


俺はその野菜を受け取りながら、つぶやく。


う~んやっぱり、ぱっと見た目はリンゴだなー。


「味はどうなんだろう・・」


「試食してみるかい?」


俺が手にした野菜を見つめていると、八百屋の親父が言ってくれた。


「いいんですか?」


「ああいいよ。うちの野菜は新鮮だからね、旨いよ」


そう言って、切り分けたトマテという野菜を一切れ手渡してくれる。


トマトだ!


味は完全にトマトだ。


トマト特有の、あのプニュプニュした種の部分は無いが、酸味と甘みのバランスの良いトマトだった。


「これだ!」


「これでいいのか?」


ネイサンが聞いてくる。


「ああ、これで完璧だ!」


「じゃあこれで、食材は揃ったのか?」


「ん~・・あとはこれに、オイルとドリンさんところの、モッチリラシーズとソラミがあれば、何とかなるんだけど、できればあれも欲しいなあ・・・」


「あれ?」


「バジルっていうんだけどな、ちょっと癖のある香りの葉っぱでさ」


そう言いながら、俺は八百屋の商品棚を物色していく。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ