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「あの、ディーノさん」

私は黒竜に乗って空を飛んでいた。もちろん背後にはディーノが居て、後ろから私を包み込むように手綱を握っている。

「何?シャルロッテ」

「えっと、これからどこに行くんですか?王都から、遠去かっているような気がするんですけど」

「もうサンディガルには用はないから、他の国の僕の家に行く」

え?と私が振り向けば、間近にディーノの端正な顔だ。にこやかに微笑んでいるのを見て慌てて前を向き直した。背中がすこし緊張する。


「その、セインの竜玉は…?」

「もう取り戻している。アレクが持ってくるだろう」

「ルクレツィアさんに聞いたんですか?」

「うーん、君にはあまり聞かせたくないな。一応女性だから手荒な真似はしてないとだけ」

「…どうしてあの神殿に居ることがわかったんですか?」

「君達に置いて行かれたルカリオから急ぎ連絡を受けた。所在の分かった竜玉はアレクに任せて僕は君達の救出に向かったって訳…シャルロッテ」

「あ、…はい、なんでしょう?」

「緊張してる?いつもより口数が多くなってる」

「い、ええと、…はい」

否定の言葉を言いかけて、肯定する。

「どうしたの?怖かった?」

いつもより更に優しい口調になる。顔が見えてないだけ、素直になれる気がして、前でギュッと手を握り締めた。


「怖かったです…もうダメなんじゃないかって思いました」

ギュッと握り締めた両手の上にディーノの大きな右手が乗った。優しく包み込むように撫でてくれる。

「悪かった…僕の都合に巻き込んで。でも、僕はもう君を手放さない。今度もし同じことがあったとしても時間を稼ぐことだけ考えてくれたら良いよ。…考え得る最短の時間で助けに行く」

「ディーノさん…?」

私はそっと背後を伺った。若草色の目が優しく細められている。

「聖竜の加護が、どんなものか僕もあまり知らないけれど、それが無くても僕は君のものだ、シャルロッテ。…君が僕をまだ受け入れてくれなくても」

私は顔に熱が集まるのを感じた。


「ディーノさん、あの…」

「何?シャルロッテ」

「ディーノさんておいくつなんですか?」

ふむ、と考えるようにすると、困ったように笑った。

「もう数えてないな。不老になったのが22の頃だから肉体年齢はそこで止まっているはずだけど」

「ええっと、私、すごい年下になりますよね?…その、なんていうか、大丈夫なんですか?」

「え?どういうこと?言った通り肉体は若いままだから君を十分満足…」

(おい、セクハラ勇者)

いきなり鞍の前方に捕まっていたセインが振り返った。

「なんだよ、セイン」

(それ以上清純なお姉さんの耳をけがすな。せっかく良い感じの雰囲気ぶち壊しだぞ)

私はまた、頬が真っ赤になるのを感じた。


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