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白尽くめの騎士

(お姉さん、もう食べて良い?)

「もうちょっと待ってね。紅茶入れてからよ。セインはこの深皿で良いの?)

(うん、僕の紅茶皿はそのいつも用意してくれているやつだよ。下が重くて転げにくいんだ。…お姉さんには重くない?)


私はふらふらしながらセインの深皿を持ち上げた。言われた通りすこし重い。

「…きゃ」

と、落としかけたところにサッと手が出されて体を支えられた。

「大丈夫ですか、お嬢さん」

「あ、あの…すみません?」

私はビックリした。てっきりディーノかと思ったら赤髪で茶色い目をした白い騎士服がまぶしい美青年だった。

「どうも、僕はアレク。アレク・マーフィー。君は?」

「私はシャルロッテといいます。ありがとうございます」

ふむ、と私から手を離しアレクは聞いた。

「君はディーノの恋人か何かだろうか?彼から聞いたことはないが」

「ええっと違います。この小さなドラゴンとすこし縁があって…」


「そうか、それでは僕と恋人を前提に知り合いから始めないか?」

「えっ」

(アレク、ディーノにころされるよ)

「セイン。久しぶりだな。…殺される、とは?」

(お姉さんはディーノのお気に入りだ。お前がかかわったと知ればすごい怒ると思うけど)


「あいつが…?そうか。面白いな。女性の好みが似ているとは知らなかったが…」

(面白がるなよ。お姉さんにかかわるな!)

シャーっとセインが警戒音を出す。

「怒るな、セイン。何もしてないだろう?」

両手をひらひらとさせてアレクは笑った。

(ディーノなら城に呼び出されているはずだ。お前は何しにきたんだよ)

「何、あいつから頼まれたことを報告に来ただけだ。随分な言われようだな」

「あのっ、すみませんでした。もし良かったらお茶でもどうですか?」

収集つかなくなりそうな展開に私は口を出した。セインの言っていることは言いがかりにも聞こえたからだ。

(お姉さん)

しゅんとした顔でちびドラゴンは見つめてくる。可愛いけど今はよしよしだけしてあげる。

「さあ、お茶にしましょう。パンケーキ食べたかったでしょう?」


「これは美味しいな。こんな美味しいパンケーキは初めてだ。何か隠し味があるのかい?」

「ありがとうございます。えっと、ふわふわに仕上げるために卵白を泡立てたことくらいでしょうか…?後は何も…」


その時、チャキっと音がしてアレクの首に長剣が突きつけられた。私は口に手を置いて悲鳴を押し殺す。


「やあ、ディーノ。可愛い人からご馳走になっていたところだ。君も頂いたらどうだい?」

アレクは顔色を変えずに紅茶を優雅に飲んでいる。

「アレク、なんでお前がここに居る」

「君に頼まれた仕事の報告に来た。…もう忘れてしまったのかな」

すっと差し出された封筒を受け取り、チッと舌打ちするとディーノは剣を引いた。

「用が済んだら出て行け」

「ああ、シャルロッテ。ありがとう。また会おう。いつでも呼んでくれ」

(お姉さんは呼ばないよ。バイバイ。アレク)

セインは舌を出したけどアレクはにこやかに手を振って去っていった。

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