迷子のちびドラゴン
きゅるんってしてるなあ。
最初の第一印象はそんな感じ。私の腰くらいまで背丈があるだろうか?赤い鱗を輝かせて、緑の森の中にポツンと赤い宝石が煌めくように佇んでいた。ぽてぽてのお腹が可愛いちいさなドラゴンだ。
「あの…迷子…かな?」
話しかけると大きな黒い目からポロンと涙が落ちる。
(僕、迷子なの?)
直接頭に声が響いてきた。
「お母さん…は?」
私は目線を合わせるようにすこし屈んだ。
(わからないんだ。気がついたらここに居て…母さんに会いたい…)
ポロンポロンと大粒の涙がこぼれる。
私は可哀想になってよしよしと村の小さい子にするように抱きしめてあげた。鱗が冷たくて気持ち良い。
「大丈夫よ。お母さんも貴方を必死になって探しているはず。すぐに見つけてくれるわ」
(うっうっ…お姉さん、ありがとう。優しいね)
「迷子を保護するのは当然のことよ。さぁ、泣かないで。村に帰ってお母さんに連絡を取れるか聞いてみましょう」
ちいさなドラゴンはハッとした顔をした。
(ディーノっ…ディーノを呼んでっ…)
「お母さんはディーノっていうの?」
(ううん)
子竜はふるふると器用に首を振った。
「え?」
(僕の父さんの親友だ。すごく有名だって聞いたことがあるけど、お姉さんは知らない?)
ディーノと言えば、伝説の勇者と同じ名前だ。ディーノ・フォーサイス。若くして数々の伝説を打ち立てている勇者。
まさか。
(お姉さんは可愛いから、ディーノはすごく気にいると思うな。気をつけてね?)
パチパチと大きな黒い目を瞬かせて小さなドラゴンは言った。