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世界

作者: 初瀬川渚

 鳥のさえずりが聞こえる中で、私は目を覚ました。

 大きく分けて目に入った世界は緑色と茶色、そして青色だった。

 前人未到の世界へ私は、ついに足を踏み入れたのだ。最初に自身が持っているものを確認すると、短剣とツルハシに斧だった。

 前人未到のこの世界に、私は夢と希望をそして少しの不安を抱えて歩きだした。

 見渡す限りの自然に少し圧倒されながらも、すぐに家を作るために木を伐採して小さいながらも住める場所をすぐに確保することができたのは良いことだった。

 どんな危険があるか分からないからこそ、安全な建物は早急に必要だったのだ。


 ウサギやリスが駆け回っているのどかな雰囲気を楽しんでいると、突然ウサギの悲鳴が聞こえてきた。

 何事かと思うとブヨブヨとした緑色の球体の生命体がウサギを捕食していたのだ。

 その生命体は恐らく脅威になるだろうと思い私はヤツを倒すことを決意して、短剣を持って斬りかかった。

 正直、簡単に倒せるとは思っていなかったけれど、本当に簡単には倒せなかった。

 なんせ、中にあるコアと思われる部分に短剣が届かないからである。自分が攻撃されていることに気づいた緑の生命体は私を食べようと飛びかかってきた。

 体をひるがえして、なんとか回避しすると次に私が勢いをつけて中央目掛けて突進すると、緑色のブヨブヨに手が埋まるようくらい押し込むと、中央で光っているコアのようなものに短剣が突き刺さった。

 すると、まるで水が弾けるようにして緑の生命体は跡形もなく消えてしまった。


 この世界は脅威に満ちている――。元々、どんな世界にも脅威はあるものだが、この世界はファンタジー世界のような分かりやすい形で私の身を襲う脅威があることを悟った。

 それから、私は数日間で武器を精錬し魔法を扱えるようになり、さまざまなマジックアイテムを身につけることで、敵を倒しながら未知の世界を探索した。

 そして、この世界で私は何度も死んだ。だが、この世界は不思議なことに死んでも、この世界に足を踏み入れた時と同じ状態で生き返るのだ。

 持っているものは全て死んだ場所に落ちているという不思議な世界だった。

 私の知っているファンタジー世界とは大きく違っていると思った。


 私は死んでもめげずに落としたものを拾い集めて過酷な世界へと何度も何度も挑戦した。

 しかし、その挑戦する気力が唐突に無くなるある事件が起きた――。


 この世界には地獄のように真っ赤な溶岩に満たされた地下があることを私は知り、そこを探索しようと思い準備万端で旅に出た。

 なかなか足場が見つからずに、どうやって安全に下って行こうかと灰で出来た丘から下を見下ろしながら、群がる敵を魔法で蹴散らしていた。

 そうしていると、突然身体に赤い触手状のものが巻き付いてきて、突然のことに一体なにが起こったのか戸惑っていると、目に入ったのは真っ赤なマグマの海だった。

 そこに私は引き釣りこまれるのだとすぐに悟り、死なずに帰ることのできるマジックアイテムを使ったのだ――!

 だが、あまりにも唐突すぎてアイテムを使うのが遅れてしまった。

 私はあえなくマグマの中で死を迎えた。

 実際には死という概念のない世界で、何度でも挑戦することのできる世界。

 だが、道具は死ぬ時に落としてしまう。

 その道具たちはマグマに落ちると消えてしまうということは、私は道中に確認していたので知っていた。

 つまり、マグマの中に埋もれた私のアイテムは全て失われたということである。

 私のチャレンジ精神をいともたやすく打ち砕かれたのだ。


 この世界は思った以上に過酷であった。

 そして、何度でも世界は私を裏切ることになる。

 この世界に私が求めるものは何も無くなった――。


 ……ここで、日記が終わっている。

 ここには人がいた形跡がある。日記に書かれている特別な道具や見たこともない鉱石や道具が宝箱にたくさん入っている。

 日記を書いた人が今どこにいるのかは不明だが、私は日記の主の探求を無駄にしないため次は私がこの世界の全てを解き明かしてみせると心に誓った――。

 

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