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仲間を回収したものの

 

 光のブレスによる発光が落ち着き、辺りを見回したが、闇の精霊の姿がない。あたりを覆っていた黒い霧も無く、見通しが良くなった。こうしてみると綺麗な渓谷だ。

 あれは仮の姿だということだし、目に見える形をとるのをやめたんだろうか。


 さて……地面に降りてみようか、どうしよう?

 まだ俺は黄金竜の姿のまま宙に浮かんでいる。

 もしかして罠だったりするんだろうか?


 遺跡の核または、それと同化しているものに直接触れれば、おそらく魔力オーバーで核を壊せるんだろうけど。この広い渓谷のどこが本体なんだろう。ポップアップ表示……も特に何も出てこないしなぁ。エリアが広すぎるんだろうな。遺跡関連に関してはイマイチこのデバッグ表示も当てにならない事がありそうだしな、前回の遺跡では魔法陣を見つけられなかったし。


 ……俺は見えないけど、あの遺跡で、ライラは何か変だって気づいてたな。


 近くで横たわる竜、シャーリーを見る。ライラの母竜。起こせないかな?闇の精霊が多分弱っている今なら。


 近付いてみる。

 ステータスでは睡眠状態だ。

 状態回復魔法をかけてみる。

 うーん、起きないな。


 ふと思いついて、浮遊魔法をかけてみる。地面から離したら起きないかな。

 いや、このままこの渓谷から出してしまおうか。

 あちらは交渉に応じなかったわけだし、そもそも勝手に捕らえられていたわけだし。よし、そうしよう。


 倒れて寝ている竜と、エルフ、ドワーフ全員に浮遊魔法をかけて、さっきセーブしておいたライラ達の待つ渓谷の上に座標指定して全員で移動した。



 ---



「どうなっとるんかのう、無事かのぅ……ん?なんじゃこの影は……はあああぁ?!」

「あっおかえり、ルカ〜」

「ただいまライラ。ベニシア、このメンバーで全員だよな?竜と、エルフと、ドワーフ」


 ライラとベニシアの上に急に現れた俺たちにベニシアは驚いているようだ。


 ゆっくり皆を地面に下ろし、自分も黄金竜から若者魔王の姿に変わって地面に降りる。浮遊魔法役立つなぁ。便利便利。


「全員いるが、な、なんで連れて帰ってきたんじゃ?いや、有難いんじゃが……」

「闇の精霊が攻撃してきたから、もう良いかなと思って」

「ええっ、ルカを攻撃したの、許せない!」

「いや、とりあえずやり返しておいたから大丈夫だよライラ」

「無事に帰ってきてくれて良かったよルカ!」

 飛び使いで抱きついてくる人型ライラを受け止める。だんだん慣れてきたな、ライラの飛びつき。たまに不意打ちされて驚くけど。


「お前らのぉ……まあ良い、それより皆寝ておるのか?無事なのかのぅ?体力魔力はそこまで問題なさそうじゃが……」

「ちょっと魔力吸い取られてたり、あと食事してなかったみたいだから体力減ってたりしてるな。回復魔法はかけておいた。どうやらあの闇の精霊は、眠らせて魔力を吸い取るようだから寝てるんだろうな。遺跡から外に出たから、もう起きられると思うんだけど……どうかな?」

「ふむ……これ、起きよ!朝じゃぞ!起きよ!」

「いやもう昼だけどな……」


 しばし起きないか試してみたが、起きない。

 ドワーフはたまに寝言らしきことをムニャムニャ言っているのだが、起きる様子はない。


「遺跡から出ただけでは起きないのか?」

「……もしかして、夢を繋がれているのかもしれない」

「夢をつなぐ?」

「あの闇の精霊、このメンバーの見てる夢を覗いてるって言ってたよね」

「確かに、そんなこと言ってたな」

「だから、夢を通じて繋がってるっていうか……闇の精霊が開放しないと起きないかもしれない。私もそういう魔法使えるし」

「そうか、じゃああの闇の精霊とまだ交渉は続けないといけないってことか……遺跡の核のある場所がわかれば良いんだけどな。流石にあの渓谷全体ってことは……あ、もしかして」


 マップを表示し、現在のマップと、ゲームでのマップを重ねてみる。ゲームでの遺跡の場所が現在のどこ地点なのかがかるようになった。


 遺跡の核は、もしかしてゲームで遺跡があった場所にあるんじゃないだろうか?


 今なら渓谷の中には霧は出ていないし、仮に闇の精霊が復活して霧が出たり攻撃されても、人質は渓谷にはいないから反撃できる。


「……今のうちに、黄金竜で遺跡まで飛んで見に行って来るよ、下に降りなければ大丈夫だったし」

「お主、遺跡の場所がわかるのか?」

「遺跡がある可能性が高い場所ならわかる。2人はここで、寝てる彼らを見ててくれるか?」

「ルカ、気をつけてね」

「ふうむ……まぁ、お主ほど強いと何を心配すれば良いのかわからんが……遺跡の核のありかが分かれば、あとは聖炎があれば壊せるからな。シャーリーが起きておればシャーリーに浄化を頼めるんじゃが……」

「あ、ああ、そうだな。確認してくるよ」


 もしかすると触れれば壊せるかもしれないが、それも確定ではないし、言わなくてもいいか。


「じゃあちょっと見てくる」


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