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参上、生徒会長

みなさん、あけましておめでとうございます!

今年もよりよい一年となりますように

※今回はネタ少なめです。


「ほら、起きたまえ」


そんな声で目を覚ます。

気が付くと俺はいつのまにか砂の上に寝ていた。


俺は助かったのか……?

……そうだ、西園は?


そして起き上がろうとすると小さな手でそれを制されてしまう。

見ると俺の横には小・中学生くらいの少女がちょこんと座っていた。


「彼女ならば無事だよ。今は僕の友人のゴンちゃんと元気に雑談をしている」

「ゴンちゃん?」


その時、どこからともなく怒鳴り声が聞こえてきた。


「アンタ! 助けてもらっておいていきなりビンタするなんてバカなんじゃないの!?」

「ワタシは佐藤先輩に人口呼吸をしてほしかったんです! あなたみたいな変態はお呼びじゃないんですよ!」

「お前ら少し落ち着けって!」


見れば屈強な体つきの全裸男と西園が口論を繰り広げており、サラダがそれを仲裁している。


まぁ、確かに元気そうではあるな。

……何故男が全裸なのかはあえて触れないようにしたほうがいいだろう。


そしてそこで俺は目の前の相手にまだお礼を言っていないことに気が付いた。


「あの、助けてくれてありがとう」

「気にしなくていいよ。君達を守るのが僕達の仕事だからね」

「え? 仕事?」


そういえばさっきから普通に話していたけどこの少女は何者なのだろう?

気を失う前に一瞬見た気もするが……。


「あぁ、申し遅れていたね。僕は神宮寺(じんぐうじ) 狂歌(きょうか)、一応、君の学校の生徒会長だよ」


そう自己紹介して彼女は人懐っこい笑みを浮かべた。


「ウチの生徒会長……え? ということは俺の先輩だったんですか?」

「おや? 何かおかしいかい?」

「……」


ズイっと顔を寄せ半目で睨んでくる年上の小女(しょうじょ)……いや、少女を前に流石の俺も「ちいさすぎて小学生かと思いました(爆笑(ばくわら))」とは口が裂けても言えなかった。


「……まぁいいさ。近い将来、僕は色々とビッグな女になるのだからね……フフフ」


俺が黙っていると神宮寺先輩は顔を引っ込め、そう不敵に笑う。


「……」


……結構気にしてるんだなぁこの人。


痛々しい姿の神宮寺先輩を俺は同情的な目で見つめた。


「おっと、つい感傷的になってしまった。じゃあとりあえず全員無事みたいだし僕達は帰るとするよ」


しばらくブツブツと言っていた神宮寺先輩だが急に正気を取り戻すと砂を払いながら立ち上がる。


「本当にありがとうございました。あ、そういえば」

「ん? なんだい?」


俺は最後に気になる事を神宮寺先輩に尋ねてみた。


「何故あんなすぐに助けに来られたのですか?」

「……」


そう、いくら自分の学校の生徒を守るとはいえ限度がある。

それこそ一人一人に見張りでもつけなければこんなすぐには助けにこられないだろう。


すると神宮寺先輩は影のある笑みを浮かべた。


「……フフフ、鋭いね君は……知りたいかい? それはね……」


もしや彼女は何かの黒幕……?

まさに効果音をつけるならば「ゴゴゴゴゴ」であろう空気。

波の音だけが響くその中で、彼女は一言こう言った。


「僕達も海水浴に来ていたのさ」

「だと思いました」


やっぱり君も、頭のおかしいフレンズだったんだね☆



「ちょっとキョーちゃん聞いてよ! あの女、アタシに変態オカマとか言うの! 本当失礼しちゃうわ!」

「そうだね、ゴンちゃんはオカマであっても変態ではないからね」


そんな会話をしながら去っていく二人の背中を俺は見送る。


━━例え、頭がおかしかろうと全裸だろうとそれでも命を助けてもらったことには変わらない。

この命をもう危険にさらさない為にも俺達はすぐに家に帰ることにしよう━━。


俺は固くそう誓った。


~30分後~


「……」

「おーいタクヤン! ビーチバレーやろうぜ! 三人じゃ足りないんだ!」

「拓也君! かき氷マシーンを持ってきたの! 二人で食べましょ!」

「佐藤先輩! ワタシもう一回溺れてくるので人口呼吸お願いします!」


あぁ、神様……。

俺をマトモな世界に転生させてくれ……。


俺は豪雨吹き荒れる空を見上げ、ただただそう願った。


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