1本の白い毛が顎から? そこから凄いことになっちゃった!?
僕の名前は 「ソウタ」9歳。
ある朝、起きて洗面所の鏡を見ると、僕の顎に1本の長い白い毛が生えていた。
しかも? 『1本』 だけ生えている。
僕はママに聞いてみた?
「ママ~ 僕の顎のところに1本だけ白い長い毛が生えているんだけど 大丈夫かな?」
「何? こっちにおいで~ あら本当! でも大丈夫よ~」
「そうかな?」
「問題ないわ!」
僕も気にせず、そのまま学校に行った。クラスの友達も先生も、「カッコいいなぁ~」
って褒めてくれて僕は凄く嬉しくなった。
これは、カッコいいんだと思ったら? 凄くこの1本の白い長い毛が愛おしく感じる。
僕は大切に育てようと思った。
◆◇◆◇
でも次の日の朝、洗面所の鏡を見ると? 1本が3本に増えていた。
「えぇ!? 毛が増えている! やったーーーー!!! 増えてる!」
「ママ~ 顎の毛が増えたよ~ 見てみて~」
「えぇ!? 本当に...?」
「いいでしょ~ カッコいい!」
「うーん? ソウタ、その毛切ろうか?」
「えーーー! なんで~ せっかく生えたのに~ 切りたくないよ!」
「あなたの歳で、毛が生えるのは早いし!どんどん増えてきたら? どうするの!」
「別にいいじゃん! カッコいいんだから~」
「ダメ! ハサミ持って来て!」
「わかったよ」
僕はしぶしぶ、ハサミを持ってきた。そしてママにハサミを渡した。
そして、ママが僕の毛をハサミで切ろうとしたら......?
「バキバキ ボキッ」
「えぇ!? ハサミの刃がボロボロになった!?」
「どういう事なの~!」
「この毛? 切れないわ!」
「やったーー! 切れなかった---!!!」
「何なの? この毛?」
◇◆◇◆
流石に、日に日にこの顎から白い長い毛はどんどん増えてきている。
ソウタのママも、これは良くない事になると思い、先ずは美容院に
連れて行って、美容師さんに切ってもらう事にしたが......?
ダメでした。以前と一緒で、ハサミの刃がボロボロになりました。
「なんて? 丈夫な毛なのかしら?」
次は、病院で診てもらいました。病気でもないし『何科』に連れて行けば
いいのかもわかりません。
結局、どうする事も出来ないまま時間だけが過ぎていくと...?
息子はその白い長い毛に覆われて、髪の毛も手も足も全て
白い長い毛に覆われてしまった。
まるで『白い毛の塊に』なってしまいました。
もう『ソウタ』はいなくなってしまいました。
「私の息子が毛になってしまった!」
「白い毛の塊に......」
「この毛は? 何なの?」
「私のソウタを返して~」
「お願い! 戻ってきてソウタ!」
最後までお読みいただきありがとうございました。