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ボサボサになった歯ブラシが
ボサボサになった歯ブラシが
本棚にあったっていいじゃないか
ボサボサになった歯ブラシが
本棚にあったって
黄色い本棚が
夕日を浴びて
絵の具で描いた
レモンのように煌めいた
一番端の
分厚い単行本のなかの栞は
一歩も進まない
これじゃあ意味ない
そう思って憂鬱な気分になった
不思議な心を忘れかけてた
そこへやってきたのは
おどけたミューズ
僕の心に息を吹き入れて
アイディアをくれた
ボサボサになった歯ブラシが
本棚にあったっていいじゃないか
ボサボサになった歯ブラシが
本棚にあったって
レモン煌めく本棚に載る
不恰好なその歯ブラシは
僕の不思議な心をくすぐり
単行本も栞も
愛おしく思えた
前回のが暗すぎたんでね、おどけたものを入れてみました。