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雲のなか
夕日が染めている
広がった鰯雲
君の家の錦鯉も
負けてはいないけれど
温かい空気のなかで
またね、と言い合う
冷たい滝の音は
今のところ聴こえない
それなのにどこかに不安を感じてしまう
“永遠”は僕らを見て、どんな笑いを見せるのだろう
君との毎日はかけがえのないもの
いつも信じているのだけど
もしも君のことが嫌いになったら
ただの切れ端になるのだろうか
なんてね……。
ライトの下で
ひとりくつろいでいる
大好きな音が鳴り
君とのメールが始まる
テレビを消して幸せに費やす
でも不安はいつもどこかに潜んでいる
君のための犠牲、そんなのはなんでもないこと
悔いはまったくないのだけど
もしも君のことが嫌いになったら
大きな損失と思ってしまうのだろうか
ごめんね、こんなことを
一人で考えてしまっている
僕の気持ち、飛ばされたくないんだ
クールな自分は嫌だ
“永遠”は僕らを見て、どんな笑いを見せるのだろう
なんてね……。
結局、
今この時を生きている僕には
未来のことはわからないけれど
不安を胸に抱きながらでも
きっと僕は、ハッピーなんだろう