表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夢の話

部屋

作者: Madder


「誰かに追いかけられたの?ここにいれば大丈夫、絶対に見つからないよ。この部屋は好きに使ってくれていいからね。私はもうこの部屋は必要ないからさ…」


ーバタンー


____________________________________


小さな頃から夢で追いかけられると必ず逃げ込める部屋があった。

その部屋は夢の中でしか出てこない部屋、家の2階の額縁の裏。覗くと引き戸がある。

そこにいればどんなものでも必ず逃げ切れる部屋。おばけや人さらいなんて怖くなくなるほど頼もしい部屋だった。


その部屋は埃っぽく、ログハウス風の部屋で二段ベットと木の机と椅子があった。

私はよくそこで遊んだりした。


誰かをその部屋で見たのは2回しかない。


私がとても小さい時、その部屋に最初に入った時は中に誰かいた。


「誰かに追いかけられたの?ここにいれば大丈夫、絶対に見つからないよ。この部屋は好きに使ってくれていいからね。私はもうこの部屋は必要ないからさ…」


そう言い大人に見えたお姉さんは扉をくぐり出て行った。

1回目、人に会った時である。


その日から何年も夢の中でその部屋に逃げ込んでは遊んで目を覚ました。


何年も何年も…そんなある日、私は部屋の中から夢が始まった。

そんな夢初めてのことで少し新鮮だった。そういえば部屋に入った夢はあるが、部屋から出た夢は見たことがないと思った。

私も随分と成長していた、初めて部屋に来たことを思い出し、懐かしい気持ちになった。


そう思ってた時、誰かが慌てて部屋に入ってきた。2回目人に会った時である。


「誰かに追われたの?大丈夫、ここにいれば絶対に見つからないよ。

もう、この部屋は好きに使ってくれていいからね。私はこの部屋が必要なくなったみたいだから。」


なぜかスラスラとこんな言葉が出た。

そして部屋に用事がなくなったとも思い、初めて部屋から出た。


ーバタンー

……………………………………………………


目が覚め、その日以来、何度寝てもその部屋は出てくることがなかった。


今はもしかするとまだ誰かに使われてるかもしれない部屋。誰かを助けてるかもしれない部屋。そんな部屋を懐かしく思った。

ここまで読んでいただきありがとうございました。誰かこの部屋を見たことある人いませんか?夢の中で誰かに使われてると良いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 誰かや、周囲から逃げ出せる場所…そして守ってくれる場所。 そういう場所を、創りだせたらいいな、と感じました。 とても読みやすいですし、話の流れもスムーズでした。 心がほっこりとしました。 拝…
2016/11/15 12:05 退会済み
管理
[一言] あれ?体験談ですかね?(笑) 何から逃げていて、何故必要無くなったんですかね。 現実逃避している人間が来る場所かな?と思いました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ