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相棒
湯野煌希という新しい名前を得た彼は、瑛と供にリハビリ第二段階をスタートさせた。
「漸く彼も紹介できるね」
瑛は悪戯を楽しむかのような笑顔でそう言って何やら手元のボタンを操作した。
「彼?」
煌希の訝しげな呟きに重なるように自動ドアが開き、一羽の猛禽が飛翔してきた。
「君の相棒になる、鷲だよ。因みにこの子はロボットだから」
「はい?」
「喋れるし、拳銃にもなるから」
「え?」
「リアルdeserteagleってね」
愉しげに物騒な単語を並べる瑛に、言葉をなくす煌希に相棒になると紹介された鷲が話し掛けた。
「初めまして煌希様。これから宜しくお願いします」
鷲の嘴から流暢に紡がれる言葉に、煌希の驚きはピークに達した。サイボーグとして生き延びたと知らされた時以上の衝撃だった。
「君にはリハビリ第二段階として、戦闘訓練とその他必須項目の勉強に取り組んでもらうよ。その中には、相棒をコマンド一つで武器に変える訓練も含まれてるから頑張ってね」
固まったままの煌希に、追い討ちをする様に続け瑛は、悪戯成功と意地悪な笑みを浮かべた。