目覚め
学生時代のネタ帳を発掘したので、書いてみました。
目覚めて最初に認識したのは、天窓から射し込む日光だった。
「ここは?俺はいったい」
機械類に囲まれ繋がれた簡易ベッドの上で身を起こし、彼は呟いた。
「目覚めたようだね。気分はどうだい?」
扉を開けて入ってきた白衣を纏った男の言葉に、彼は視線を向けると警戒しつつ応じた。
「気分は悪くない。ここはどこなんだ?」
「ここは、医療工学研究所だよ。君は、爆発事故に巻き込まれて瀕死の状態で担ぎ込まれたんだ」
男の言葉に、彼は記憶を手繰った。
「そうだ。俺は帰宅途中に寄ったショッピングセンターで爆発に巻き込まれて...」
「そう。君はその爆発で死んだことになっている。今ここにいる君は、幽霊みたいなものなんだよ」
「嘘だろ!」
男の説明に彼は、叫んだ。
「嘘じゃない。現に君の体は、純粋な人じゃなくなっている。事故でボロボロになった部分を、機械で補っている状態なんだよ。つまり君は、サイボーグになったのさ」
淡々とした口調で男に告げられた言葉に、彼は言葉もなく押し黙った。
「さて、これからの事を話そうか。サイボーグとしての生き方についてを」
黙ったままの彼に追い討ちをかけるように、男はそういうとベッドの傍の椅子に腰を降ろして微笑んだ。
中途半端なところできってすいません。続きは週末目途で上げます。