反乱軍
アーマネスからスピナスに向かう反乱軍の船の中で
「本当にスピナスに攻撃するのか?」
「仕方ないだろう?」
「くそっ!あそこの領主は困っていた俺たちに食料やなんかを提供してくれたんだぞ!それも他の領主の批判に合いながらもだ!」
「分かっている!!!分かっているんだよ!」
ガンッと壁を叩く音がして
「くそ~!!!」
するとガクンという感じで船が止まり電機が消えた・・・
「どうした!」
「はっはい!エンジントラブルです!」
すると船の後方から煙が上がっていた・・・
周囲の者たちの視線が後方へと集中すると1人の兵士から何かを渡された・・・
「・・・修理を急がせろ!警戒厳に!」
そう告げて艦長が席をはずそうとすると
「どちらへ?」
帝国軍から派遣されている士官が声を掛けてきた。
「トイレだ!トイレ!それとも一緒に来るか?」
「いえ・・・」
艦長がトイレへ向かうと2人の帝国兵が付いて来た。
(ふん!いけすかね~な、家族を人質にとられていなければ・・・)
艦長がトイレの個室に入ると個室の前で帝国兵たちは立ち止まり、雑談を始めた・・・
「ふ~さっきは危なかったな。」
「そうだな、少尉は笑っていたけれど、俺は殺されるかと思ったぞ?」
「あ~そうだ聞いた話によるとほとんどの士官連中は首都のナイトメイツに行ってるって話じゃないか?」
「ああ、俺も聞いた戦力の大半をナイトメイツにつぎ込んでいるからアーマネス、シルドラの2つは帝国戦力が無いって話じゃね~か。」
「シー!・・・聞かれてないみたいだな・・・」
「おいっ!ってことは?」
それから兵士たちは声を小さくして話していた。
ジャーと水が流れる音がして艦長が個室から出てくる・・・
(おやっさん済まん。)
艦長が個室で確認したメモの切れ端には
「ある程度時間を稼いでやる。理由は整備不良ってことで口添えしてくれ。」
と書かれていたのである。
「終わったのか?」
兵士たちが艦長を連行しようと近づいてくると
「手~くらい洗わせてくれよ。」
「さっさとしろ!」
手を洗いブリッジに戻ると
「これはどういうことですかな?」
帝国士官が尋ねてくる。
「どういうこととは?」
「エンジントラブルの件です。まさかと思うが故意ではないだろうな?」
艦長は少し考え込んだフリをして
「あ~なんだ、貴官も知っているだろう南東連邦の腐敗の話は。」
「無論。」
「あいつら軍事費もケチってやがったんだよ。この船も騙し騙し使っている状態でな。」
「なるほど・・・それはお気の毒に・・・」
それを聞いた帝国士官の顔が少し青ざめた
(何ということだ・・・首都陥落まで戦力を減らせればいいと思っていたんだが、これでは命すら危ないではないか!)




