世界02
「バンッ!」と勢いよくドアが開かれ眼鏡を掛けた細身の獣人族の男が入って来た。
「・・・大統領、今は会議中ですぞ。」
ラミレスは入って来た男ルード・トーラに向かってそう注意をした。
「だって今後の方針を話し合っているのでしょ?」
「如何にも。」
「なら丁度いいからあの子たちを使うわよ。」
「なっ!ご自分が何を言っておられるか分かっておられるのですか?」
「あら~分かっているわよ。だ・か・ら使うんじゃない。いいことこれは大統領としての命令よ。」
「・・・分かりました。」
「じゃあそういう訳だからよろしくね~」
そう言い捨ててルード大統領は部屋を後にした・・・
「中佐?大統領のおっしゃられとあの子たちとは?」
「.・・・帝国で実用化されている強化人間・・・MBのことだ。」
「なっ!」
「命令だ従う他あるまい。」
悲痛な表情のラミレスを見て、その後その場にいた者は誰も声を出すことはなかった・・・
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翌日の朝早くタイガー隊、ウルフ隊を1小隊づつ護衛に伴って大型のGFヌエ2機がビースガル基地へ向けて出発した。
「ね~ね、カラミティ全員殺っちゃっていいんだよね?」
『・・・レイダ味方は殺っちゃダメ』
「え~つまんない!つまんないよ~」
『ダメなものはダメ!』
「ぶ~ぶ~わかったよ~だカラミティのケチ!」
『レ・イ・ダ~』
「わ~ごめん!ごめんってば!おこんないでよ~」
≪GFヌエ≫
通常のGFの1.5倍の大きさのGFであり、高火力のビーストタイプである。
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ビースガルドから部隊がここビースガル基地へ向けて進軍したことをつかんだ司令部では
「玉砕覚悟の出陣かな?」
「いや新型が2機確認されたとか・・・」
「たかだか2機程度でこの基地は落ちんよ。」
「寧ろ迎撃してそのまま首都を攻めてはいかがかな?」
「おお、それは妙案ですな。」
「では早速手配を・・・ミノ20機も出せば良いかの~」
「いや、念には念を入れて30機で圧倒してはどうかな?」
「反対意見が無いようなのでミノ30機出撃と・・・」
中央の席に座っていたふくよかな司令官が承認ボタンを押して出撃が決まった。
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こうしてビースガルとビースガルドとの中間にある砂漠地帯で戦闘が行われることになった。
しかし彼らはまだ知らない・・・これから起こる殺戮を・・・
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更にビースガル基地の動きに康応するようにフレミス基地からもGFミノタウロスが10機出撃した。




