暗躍
連邦の宇宙ステーション内で白衣を着た男が部屋の中をウロウロと行ったり来たりしていると、扉が開き軍服に身を包んだ男が入って来た。
「アデル中尉!遅いではないか!」
アデルと呼ばれたその男は頭から見える角の種類から竜人族だということが分かる。
「そう急くなネルビル。」
ネルビルと呼ばれた白衣の男は
「で、見つかったというのは本当か?あれから10日間も捜索していて発見できなかったんだぞ!」
アデルは持っていたPCを開き
「これをご覧ください。エデンへ向かった補給部隊が遭遇したGFの映像です。」
アデルが差し出したPCに映し出されていたGFは紫色でどちらかと言うとGFヴァンパイアロードに似ている機体が連邦軍のGFパラディンを駆逐している映像であった。
「敵の新型か?それより私のGFセラフィムはどうなっているのだ。」
「お気づきになりませんか?」
アデルのその言葉にネルビルは
「まさかこの紫色のGFが?」
「はい。こちらが調べたとこによるとこの機体に使われている魔導エンジンの魔力パターンがGFセラフィムと一致しました。」
「ではGFセラフィムは帝国に奪われていたのだな?」
「そうなります。」
「くそ~中央連邦の無能者どもめ!」
ネルビルはそう言って机を蹴り飛ばした。
しばらくして落ち着いたネルビルが
「それでもう一つの方はどうなっている。」
「はっ!カリーナ・クルス、彼女は今地上の中央連邦聖王国軍に身を寄せています。例のシステムは今だ未完成であったとのネズミからの情報です。」
「そうか・・・しかしGFの設計データはここにあるんだ。これを基に北東連邦へ亡命する。お前も着いてこい。」
「よろしいので?」
「話は通してある。北東連邦では1階級上がって大尉となる。私のために働いてもらう、覚悟して置け。」
ネルビルはそう言い捨て部屋を後にした・・・
「ふっ俺が大尉ね~悪かね~が、こいつを持って亡命するのは帝国ってね・・・」
アデルはスティックメモリーを見ながらそう呟くのであった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
ハクジョウシ、ブリッジ内
「少佐!調子はどうですか?」
『フッ、マデル良好だよ。例のMB用のシステムを転用したシステムにも問題はない』
「それは何よりです。それとキツネからの情報で明日専用のシャトルで地上へ降りるそうです。」
『そうか・・・歓迎してやらんとな』
そんな話をしている中
「艦長!レーダーに感あり!また証拠にもなく連邦の輸送船です。」
「少佐どうします?」
『決まっている・・・補給が済み次第仕掛けるぞ!』




