漂流04
僕が悩んでいるとシリウスが
「シェルド様よろしいでしょうか。」
「何?」
「私が彼女に色々とお聞きしますので、それを聞いて判断されてはいかがでしょうか?」
「・・・じゃあおねがい。」
「分かりました。」
シリウスはベッドに横になっているシーダに歩み寄り
「貴方はここに置いてほしいという話でしたが、我らは帝国と現在敵対関係にあります。それでも貴方はここに居たいですか?」
シーダは考えるより早く
「はい。あの国には・・・帝国には戻りたくありません!」
「では貴方にGFに乗って戦えと我らが言ったらどうしますか?」
今度は考え込んで、
「戦います!」
「それは復讐ですか?それとも・・・」
シーダの表情が暗くなり
「復讐・・・そうか・・・でも、復讐の気持ちが無いわけじゃないですが、生きるために!それに貴方方から受けた恩を返すために、私は戦います!」
途中からシーダは顔を上げ決意に満ちた瞳でそう叫んだ。
するとシリウスは僕を見てお辞儀して、後はご自由にと言った感じで一歩下がった。
「・・・これからよろしくシーダ。」
僕はシーダに近づき手を差し出すと、シーダはその手を両手でつかみ
「こちらこそよろしくお願いします。シェルド様。」
僕はもう一方の手で頭をかきながら
「様はいらないよ。」
「フフフ、分かりましたシェルド君。」
そう言ってシーダは満面の笑みで答えるのであった。
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エデン宙域での戦闘の中ザーヴァ少佐は漂流していたGFのコンテナを発見していた。
「ん?連邦のコンテナか?・・・魔力反応・・・上級?鬼が出るか蛇が出るか・・・」
そう言ってGFを操作してコンテナを回収するのであった。
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ハクジョウシブリッジ内
「少佐のGF帰還します。」
その言葉に艦長代理は
「何!被弾したのか?少佐は無事か?」
「被弾はしてません。コンテナを運んでいます。」
そうやり取りをしていると
『マデル、連邦の落とし物だ』
「中身はなんですか?」
『GFだろうな・・・それも上級の。』
「・・・まさか!例の新型ですか?」
『分からんが可能性は高いだろう。一時撤退するぞ。』
「はっ!信号弾を撃て!この宙域より一時撤退する!」
すると白衣を着たアルファが
「なっ!それではテストが・・・」
『これが例の新型であるなら、奪取に向かった部隊は失敗したとみて間違いない。』
「しかし!」
『テストよりこちらの方が優先されていることは貴公も知っていよう。』
その言葉にアルファは悔しそうに顔を歪めるのであった。
次回「遭遇戦」5月下旬から6月上旬ごろ予定。




