漂流03
GFヴァンパイアロードの自爆により、機体は大破、操者は死亡・・・となるはずであったが、その爆発から逃れるように流れる人影があった。
意識を失ったまま流されるそれは、半日ほど流された場所で小惑星に偽装した秘密基地であったのだが・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
医療機器などが置かれた白い部屋で少女は眠っていた。
「ん・・・ん?・・・」
少女は目を開け動こうとしたが、全身が痛み動くことが出来なかった・・・
「ここは・・・」
「天国ではありませんよ。」
少女はハッと驚き周囲を警戒するとそこには青色の長い髪をした女性が椅子に座ってこちらを見ていた。
「それではここは何処ですか?」
女性は少し考え込んだ後に
「ん~まずはあなたのことを聞かせてもらえるかな?」
その言葉に少女は恐る恐る
「シーダ・・・シーダ・ベルゼ・・・帝国軍実験部隊所属、階級は中尉。」
「ふ~ん、あなたがあの漆黒の殲滅姫ね。」
「あっあの。」
「それで何で宇宙なんてさまよっていたのかな?」
シーダは問われるままに答えるのであった
連邦の宇宙ステーションの攻略作戦に参加したこと
その戦闘で捕虜になるとこであったこと
そして乗っていたGFの自爆装置が作動して爆発したこと
気が付いたらここに寝ていたこと
「ふ~ん味方に殺されかけたわけね・・・」
シーダはその言葉に俯き頬に涙が伝い
「わだしは・・・わだしは・・・」
その時入り口の扉がプシューと開き、少年と執事風の男性が入ってきて
「えっ?えっ?どうなっているの?何で泣いているの?」
その少年は慌てながら執事風の男性に聞くと
「私にもわかりません。カペラ説明してください。」
執事風の男性はシーダの隣に座っている女性に問いかけた。
「ん~いいけど、その前に、初めましてシェルド様、私は疑似精霊のカペラと言います。以後お見知りおきを・・・」
そういってカペラはお辞儀をしたので
「シェルド、シェルド・クルスです。よろしくお願いします・・・じゃなくて、その子何で泣いているの?」
そんな僕たちのやり取りを見ていたシーダは泣きながら笑い
「フフフ、面白い方たちですね・・・あの私シーダ、シーダ・ベルゼです。その・・・泣いていたのは助かったことが嬉しくって・・・」
最後の方は恥ずかしそうに声が小さくなったが、何とか聞き取れた。
「それでシーダはこれからどうしたい?」
「あっあの!もしよろしければここに置いてください!お願いします!」
そう言って勢いよく頭を下げてきた。
(どうすればいいんだろう・・・)
僕は心の中でそう呟き悩むのであった。




