プロトワン
早めに仕上がったのでUP開始します。
ペンドラゴン級GFデッキ内。
「プロトワン!任務だ!聞いているのか!」
私はプロトワンじゃない!シーダ、シーダ・ベルゼって名前がある!どうしてこうなっちゃったのかな?父様、母様・・・
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14年前私はバルガス帝国の有力貴族の娘として生まれた。父様は聡明でとても優しく領民から慕われていた。宇宙開発の遅れていたこの国は、連邦に加入するべきとした父様の派閥と連邦に戦争を仕掛けて技術を奪えばいいといった叔父様の派閥の2つに分かれ政治的に争っていた。
そして私が10歳の誕生日を迎えた日・・・父様は暗殺されてしまった。纏め役であった父様の死で求心力を失い叔父様の息のかかった者たちが役職に就き、もはやこの国は戦争に向かって歩み始めていた。
父様が殺されて2年がたったある日・・・今度は母様が亡くなった・・・自殺である。父様が亡くなってから叔父様からの嫌がらせで母様は心の病に陥った・・・それに耐えられなくなったのである。
身寄りのなくなった私は叔父様により、軍の非合法研究機関に連れていかれ人体実験を受けた≪MB≫と呼ばれる人工的に≪超越者≫を作る研究である。
≪超越者≫
魔力適正が15を超える者。それによりGFの操作のみに止まらずに、魔石の力を引き出し魔導エンジンを活性化させ、GFの性能を飛躍的に上げる者。
≪MB≫
マジカルブースターの略。人工的に超越者を作り出すために、その身に魔石を埋め込まれた者。動物での実験では飛躍的に魔力適正が上がるが、体にかかる負担は壮絶なもので周期的に激痛にさいなまれ、その激痛に耐えられなくなり発狂して死に至る不完全な技術であった。そんな技術の初期成功例が100人中6人であり、今現在も生きているのはシーダのみである。
現在は初期成功例を基に、より安全に魔石を埋め込む技術が生み出され、第二世代が9人いる。
そして1年前私が13歳になる数か月前に、連邦の技術者の家族を攫って人質に取り、技術者にこの国に亡命させGFの開発を強要した。その技術者が作ったのがGFミノタウロスである。GFミノタウロスは上級GFでありながら魔力適正のない者にも操作を可能にした画期的な機体であり、大量に配備して連邦との戦争が勃発したのが1年前である。
私や他の5人はMB専用に改修されたGF≪ヴァンパイアロード≫を駆り戦場を駆け抜けた。
≪ヴァンパイアロード≫
形式番号GFH003V2ヴァンパイアロード。連邦のGFナイトシリーズの3世代目の機体を帝国の技術で改修した機体をMB用に高スペックで作成された機体で黒に近い紫を基調とし、赤い縁取りがなされた禍々しくもスリムな機体である




