強行突破04
先の戦闘から1時間が経過していた。フレイム小隊は順番にブルーノアで補給を受けていた。今はGFパワーを第2デッキで整備と補給を受けていた。
「よう!ご苦労さん!」
と陽気にフレイムはクリスに話しかけていた。
「・・・」
クリスは無視して淡々と整備を進めていた。
「あ~なんだ俺嫌われているのか?」
フレイムはデッキを見渡しながらつぶやいた・・・
「ん?あれ新型か?」
フレイムはフェアリーMk3を見つけてそう呟いた。それを整備がひと段落したクリスが聞き、
「新型じゃないよ。改修型よ。」
「へ~改修型か・・・それにしてもフェアリータイプ?いやヒューマンタイプか?」
「両方正解で、両方はずれ。ヒューマンタイプのフレームを使っているけどその他はフェアリーMk3のパーツを流用しているからフェアリーMk3改ね。形式番号もフェアリータイプのものだしね。」
と言ったクリスに、先ほど無視されていたフレイムは驚いた。
「おっと結構喋れるんだな。俺はてっきり嫌われているんだと思ってたぜ。」
「なっ!さっきは作業に集中していたから・・・」
そう言ってクリスはそっぽを向いた仕草がフレイムには可愛らしく見えた。
「わりぃ、わりぃそう拗ねるなよ。なっ!」
クリスは頬を赤く染め
「もう知りません!」
フレイムが言い訳をしようとしたときに「ビー!ビー!ビー!」と警報が鳴り響いた。クリスは慌ててパネルを操作してブリッジを呼び出した。
「何があったの!」
『敵艦隊をスピカが補足したらしいんだ』
とブリッジにいるルークが答えた。そこにフレイムが割り込み
「何隻だ!」
『ペンドラゴン級1隻、マラカ級4隻の計5隻だ!進路は連邦のステーションに向けて動いている。』
フレイムは考え込んだ、このままでは不味い。連邦のステーションに駐留している部隊はマラカ級3隻、そこにGFナイト1機とフェアリーMk3 2機の小隊が2小隊。もう1隻は自分の小隊である。圧倒的に数が違う。それに今ステーションには避難船がごった返している・・・
フレイムが考え込んでいると、突然目の前が光、そこにスピカが現れた。
「ここで考え込んでいても仕方がないのでは?」
「それはそうだが・・・」
「でしたらブリッジまで来てはいかがでしょう?」
「いいのか?」
「構いませんブリッジ以外の部屋は外から開かないようにしましたから。」
「じゃあ頼む。」
そうフレイムがいうと、スピカはこちらへと言う様に腕で道を指示した。それに促されフレイムはブリッジに向かい歩き出した。
次章「漆黒の殲滅姫」4月中旬UP予定です。




