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第8話「娘とスパゲッティと吸血鬼と」

実はミスって闘争曲の方で投稿してしまいました(><)

申し訳ないです。

全くもってふがいない!

今後二度とないように注意します。

〜六課隊舎・シャワールーム前〜


現在オレはシャワールームの前で壁にもたれかかっている。


そしてその隣にエリオがいた。


女性陣は訓練の汗を流すためにシャワールームに今もまだいる。


オレたちの方が早く外に出てくることになり、


しばらく待っているのだが、まだしばらくは待つことになりそうだ。


「無月さんが来てくれてよかったです」


「ん?なんでだ?」


オレは体勢を変えずに目線だけをエリオに向ける。


「フォワード部隊はぼくだけが男性でしたから…」


「あ〜なるほどな」


考えてみれば全員女なんだな。


メデスを連れてこなくて本当によかった。


「どうして笑ってるんですか?」


言われるまで気づかなかったがどうやらオレはニヤけていたようだ。


「いや、オレの仲間に女好きなヤツがいてな、そいつだったら喜びそうだな、と」


「そうなんですか。でもおもしろい人なんでしょうね」


「連れてこなくてよかったと思ってる。あいつを見ればエリオもそう思うさ」


「ははは……」




「なのはママ知らない?」


急に下の方から声がしたので下を向くと、1人の小さな女の子が見上げていた。


不思議なことにその子は左右の眼の色が違っていた。


どうしたものかと考えていると横からエリオが、


「なのはさんなら部隊長室だよ。その内戻ってくるから部屋にいるといいよ」


と言ってきた。


「うん。そうする」


エリオの提案に大きく頷くと、ててて、と走って行った。


その方向をずっと見ていると


「『ヴィヴィオ』です。なのはさんとフェイトさんのお子さんです」


あの年でか!!??


てゆうかあの2人のか!!?


2人とも女性だろ!?


オレが眉をかなりひそめたのに気がついたのかエリオが慌てて


「お子さんといっても本当のお子さんじゃないですよ!」


と訂正する。


「そ、そうか…」


オレはまだヴィヴィオの走っていった方向を見ていた。




〜六課隊舎・食堂〜


現在フォワード部隊のほとんどが食堂で食事をしている。


「訓練って楽しいね♪食べ物もおいしいし」


と言いながら夕飯を食していく祢音に


「お姉様、食べ物を口に含みながら話すのはお行儀が悪いですよ」


と注意する奏。


「は〜い」


さらに祢音と奏の向い側には


「ほらスバルもおとなしく食べなさいよ」


「でもたくさん食べないと大きくなれないよ」


「おとなしく食べなさいって言ってんのよ。別に食べる量を減らせなんて言ってない」


同じようなやり取りを行うスバルとティア。


「賑やかなところだな。ここは」


「そうですね。無月さんのところは違ったんですか?」


オレと同じテーブルを囲むキャロが()いてくる。


「そうだなぁ…。あいつらといる時は賑やかだけど、人によっちゃあ暗い事もあるな」


「そうなんだ。ねぇ無月くんたちのいた世界ってどんな所?」


今度はオレの左側に座るフェイトさんが訊いてきた。


「フェイトさんたちと同じ、『地球』と呼ばれる星にいますけど


まったく同じ世界ではないみたいですね。でも環境や文化はほとんど同じだと思いますよ」


そう言ってからオレは真ん中の山盛りのスパゲッティを自分の皿に移す。





〜六課隊舎・無月の部屋〜


夜中、異常な喉の渇きによって急に眼が覚める。


この感覚は……血か。


オレは一度死にかけ、そこから助かるためにアカシャの一族である吸血鬼の血を得た。


そこで一命を取り留めたが、吸血鬼という化け物になってしまった。


まぁ本当に吸血鬼になるのは血を吸った後しばらくだけで、


吸っていない時は血の欲求がある以外は普通の人間だ。


こうして数日に一度血でしか潤せない喉の渇きがやってくるのだ。


いつもは祢音か奏に血をもらっているので、今夜も祢音たちの部屋に行くことにした。


放っておけば血の欲求に支配され、血を求めて暴走することになるからな。


「今夜はひどいな。もう意識が薄れてやがる」




〜六課隊舎・祢音と奏の部屋〜


ロックを解除し、扉の開く音以外何も音を立てず、オレは祢音のベッドまでやって来た。


祢音はだらしなくパジャマをはだけさせたまま、仰向けで寝息を立てている。


もう少し大人になってくれ。


だが祢音の露出した肌は外の光を浴びてかなり白く見え、オレを誘惑する。


もう我慢できなくなった。


オレはベッドに乗り、祢音にまたがる。


そしてゆっくりと顔を近づけ、祢音の首筋に歯を立てた。


「!?」


その痛みに祢音はすぐに目を覚まし、血を飲んで吸血鬼化し、眼の色が(あか)くなったオレの顔を見る。


その顔には苦痛や恐怖は見られなかった。


いつものことだからもう慣れているようだ。


ゴク……ゴキュ…ゴク……


そうしてオレは音を立てて喉の渇きを癒していく。


「はい、ストップ。これ以上はわたしがダメになっちゃうよ」


祢音は奏を起こさないように(ささや)いて表情をそのままに、


オレの頭を自分の首筋から少しだけ引き離して眼を合わせる。


「あぁ………いつも悪いな」


オレは最後に首筋に取り残した血を舐めると自分の口を(ぬぐ)う。


「しょうがないじゃない。そーゆー身体なんだし」


「ありがとな。…じゃあおやすみ」


オレはベッドから離れ、扉へ歩き出す。


「うん。おやすみ」


かすかな声を聞いて、オレはその部屋を出た。


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