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第7話 「如月VS隊長陣」

「ここです!ヴィータちゃーん!」


手を振るリインの先にはヴィータと呼ばれた赤髪の女がいた。


しかも幼い。モンディアルやルシエと同じぐらいか、それ以上といってもそんなく上でもないだろう。


「おう、リイン。そいつらが例の魔導師か?」


「うわぁ!かーわいー!」


祢音はそのヴィータに駆け寄ると頭を荒々(あらあら)しく撫でる。


「あたしを子ども扱いするなぁ!!」


ヴィータはそう叫びながらもがき、離れさせる。


「あ、ゴメンね」


ヴィータはしょんぼりする祢音を一瞥いちべつすると目の前に表示されている画面を見る。


そこにはさきほど会ったなのはさん、モンディアルとルシエ、そして2人の女が映っていた。


…これが訓練なんだろう。


「じゃあはやてちゃんの所に行ってきますです」


「そういやお前らもあたしらと同じ部隊に入るんだってな。


丁度いい。力試ししてやろうか?」


ヴィータはニヤリと笑ってオレたちを見る。


「ああ、お前のようなガキがどこまでできるか楽しみだ」


なんかムカつくから挑発してやると


「言うじゃねぇか。あとで泣きごと言うなよ?」


言ってる言葉は挑発にのってるのようなのだが言い方には若干じゃっかんの余裕が感じられる。


乗ってきたのかそうでないのか、わからないような感じで返してきた。


「なのは!キリがついたらあたしも入るぞ!あと例の魔導師も一緒だ!」


―わかったよ―




そして数分後……


―OK。終わったよ。入ってきて―


「よし、行くぞ。ついてこい」



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



「あ、来たね」


「おう。じゃあオレとなのはそっちは如月無月、祢音、奏の3人で。お前らは休んでていいぞ」


ヴィータは訓練を受けていた4人に声をかける


「「「「はい!!」」」」」


そしてどこかへ去って行った。


「あ、今から模擬戦?」


早速始めようというときに戦闘服に身を包んだフェイトさんが来た。


「そうだよ。どうしたの?」


声の調子からしてここに来たことはなのはさんにとっても予想外のようだ。


「わたしも、ライトニングの隊長として戦い方を見ておきたくてね」


「じゃあ奏ちゃんの相手頼める?」


「うん」





〜無月SIDE〜


「無月、お前の相手はあたしだ。


本気マジで来いよ。力試しなんだからなぁ!」


赤い戦闘服に身を包んだヴィータは小さなハンマーを持ち、こちらへ突撃してくる。


オレはレーヴァテインを取り出すと、待ち構える。


ヴィータはオレの目の前まで迫ると、勢いをつけて振り下ろす。


右へステップし、そのまま回避すると上へ飛ぶ。


ビュン、と風を切る音がする。


「逃がすかよ!」


『シュワルベフリーゲン』


野球ボール大の魔力の弾がヴィータの周りに4つ出現し、ヴィータはそれを打つ。


魔力弾がオレへ襲いかかる。


『火球』


それに対し、オレは魔力弾と同じ数の火球を出現させ、コントロールし、相殺そうさいさせる。


「またその手か!」


またって……お前とやり合ったのは初めてなんだけどな。


「だったら……」


『ラケーテンハンマー』


ヴィータのハンマーの先端がドリルに、そしてもう片方が噴射口に変形する。


そしてドリルが回転し、噴射口から魔力が噴出する。


「受けてみろ!」


そしてヴィータはハンマー投げをする時のように回転してこちらへ向かってくる。


「受けてみるか」


オレはシールドを張り、ヴィータの攻撃を受ける。


ぶつかり合って激しい火花を放っていたがしばらくするとシールドに亀裂のはいる衝撃がした。


「ちっ」


『炎熱放射』


剣の切っ先を攻撃中のヴィータに向け、炎を放つ。


オレの放った炎に包まれたヴィータは炎の勢いに押され、離れる。


炎から解放されたヴィータの周りにはバリアが張られていて、煙がいくらかあがっている。


「危ねぇ危ねぇ」


ちっ、反応がいいな。


「もう少しやりあいてぇが、新人たちとの連携を練習しておく必要があるだろ。


同じ部隊で行動するしな。今回はこれで終わりだ」


なんだ、もう終わりか。


「言っておくが、あたしはまだまだ本気じゃねぇぞ」


「わぁったよ」





〜祢音SIDE〜


「じゃあ祢音はわたしと勝負だね」


「よろしくお願いします」


私は愛銃『フリューゲル』を取り出す。


「うん。じゃあいくよ!」


『アクセルシューター』


なのはさんの周囲にいくつもの魔力弾が出現しました。


数は10個。一気に来たら全部撃ち落とせるかな?


「どこまでできるかな?」


魔力弾が一斉に動き始めました。


滅茶苦茶に素早く動いて眼で追うことで精一杯。


どうしよう……


「…なんてね♪」


視認できなくても空間ごと攻撃すれば!


カマイタチを起こすほど速い風を引き起こす空間を球状に広め、バリアのようにしました。


魔力弾が6つほど続けて攻撃してくるけど、風でかき消されていく。


「その魔力、なかなかやるね」


なのはさんは残りの魔力弾を消すと少し離れました。


「でも、これならどうかな?」


なのはさんの持つ杖の宝玉の部分にかなりの魔力が感じられる。


離れた所を見ると射撃、いや、魔力の量からすると砲撃かな?


受けきれるかどうか、力試しだね。


私は周りの風の魔力をさらに高めてさらに速くします。


『ディバインバスター』


そしてなのはさんの杖から砲撃が放たれました!


砲撃は私に直撃したものの周りの風でかき消されたり受け流したりしています。


「くぅっ……!」


強い、さすがは隊長だね。でも、


「負けないよ!!」


銃をなのはさんがいるはずの正面、砲撃の中心に向けて構えます。


銃口に魔力を集め、さらに周りに使ってる魔力を少しだけ、銃口へまわす。


それによって周りの風で受けきれなかった魔力が内側へ入ってきます。


「サイクロンショット!いっけぇぇぇ!!!」


銃に込めた魔力を風、竜巻に変換して放ちました。


竜巻はなのはさんの放った砲撃とぶつかりあっています。


そしてしばらくすると次第に両方とも消えてしまいました。


「こんなものかな。お疲れ様」


「ありがとうございます!」


その声に思わず頭を下げてしまう私でした。




〜奏SIDE〜


「よろしくお願いします」


「ん…じゃあ早速行くよ」


そう言い終えるとすぐにフェイトさんの姿が消える。


いや、消えたというより、音速で移動した。


「『トライデント…」


魔力が感じられる……後ろ!


「…スマッシャー』!!」


強大な魔力が放たれたとほぼ同時に私も音速で動きました。


私のいた所を3本放たれた極太の魔力の砲撃の内、1本が通過していきました。


そして私はフェイトさんの後ろに。


『ヤドリギ』


私がミスティルテインの切っ先をフェイトさんに向けると、


ヤドリギのつるがフェイトさんの体に絡みつきます。


今回はただの蔓ではありません。絡みついた相手の魔力を吸い取る蔓です。


「奏も使えるんだね、『ソニックムーブ』」


そうして笑う顔は余裕の笑みでした。


魔力は吸い取ってるはずなんですが……もしかして、吸い切れていない?


そして限界を超えた蔓は枯れるように散ってしまいました。


もっと改良が必要のようですね。


「スピード勝負、してみようか」


フェイトさんの持つ杖の形状が変わり、刃が魔力で構成された大剣になりました。


「いきます」


『『ソニックムーブ』』


私とフェイトさんは同時に動き始めました。


普通の人なら見切れないかもしれませんが音速で動ける私なら話は別です。


フェイトさんの姿がはっきりえます。


そして多分フェイトさんの方も私が視えているはずです。


すれ違う度に刃を交え、それが何度も繰り返されます。


『まどろみの幻影』


4人、私の幻影を作り、フェイトさんを囲んで斬りかかります。


ですが大剣のひと振りで全ての幻影があっけなく消されてしまいました。


すると突然、音速で動き回っていたフェイトさんの動きがピタリと止まりました。


チャンスです。私は一気にフェイトさんへ向かい、剣を構えました。


背後から斬りかかろうとしたのですがフェイトさんは振り返り、


簡単に私の剣を大剣で受け止めてしまいました。


「他のみんなも終わったみたいだから、私たちも終わろっか」


「はい。わかりました」


何もできなかったのが少ししゃくでしたが、ここは気にしないでいることにしました。





〜無月SIDE〜


「みんなおつかれ。3人の力は予想以上だったよ。これなら安心して組めるね」


全員が集まった所でなのはさんが言った。


「さて、これから訓練するわけだけど、スバルとティアナは自己紹介まだだったね。今からして」


そう指名された2人はオレたちと向かい合った。


「スターズ分隊、『スバル・ナカジマ』二等陸士です!」


まず青髪に白いハチマキをしたナカジマが、


「同じく『ティアナ・ランスター』です」


続いてオレンジの髪を2つに結んだランスターがそれぞれ自己紹介した。





そしてオレたちは訓練を開始した。


訓練は模擬戦や基本の確認などが主体だった。


祢音と奏は最初からナカジマたちの事をファーストネームで呼んでいたが


オレだけはファミリーネームで呼んでいた。


だがオレだけがファミリーネームで呼ぶのも何なので訓練の途中からファーストネームで呼ぶようになった。


スバルたちもオレたちが年上だったせいもあり、


『さん』付けではあったがファーストネームで呼び合い、次第に仲良くなっていった。


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