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第5話 「天照様の落し物」

初のコラボ物です。

最初は闘争曲の方で出そうと思ったんですが

オリジナルにしておきたかったので遊戯曲で出すことにしました。

さて、いったいどの作品とのコラボでしょう?

〜如月家〜


『帰ってきたらすぐ本部に集合 Byメデス』


家に帰ってくると、玄関にそう書いた手紙が置いてあった。


メデスの姿がないということは先に行ったようだ。


「だったら早く支度しないとね。行こ、奏ちゃん」


「はい」


後ろから手紙を覗き込んでいる祢音は、くつを脱いでさっさと2階へ上がっていき、それに奏も続く。





「じゃあ行きますかぁ!」


用意も整い(まぁそんなに持ち物はないのだが)、オレたちは本部へと向かった。



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



〜オルタナティブ本部・玉座の間〜


「何の用ですか?天照アマテラス様もお揃いで」


レミア隊長の隣には白い髪をした、見かけはオレたちとおない年ぐらいの少女、


フェイト・天照アマテラス・アカシャ様がいる。


元々はフェイト様と呼んでいたのだがラグナロク中、フェイト・アカシャの一族に多く会い、


フェイト様、と呼ぶ度に全員が反応するから天照様、と呼ぶようになった。


「実は少々……というか結構大変な事態が起こりまして」


なぜか天照様が申し訳なさそうに話し出す。


「天照様はここに来る途中、落し物をしたそうです」


「はい。久遠が今ここに来てるんですけど、


その素材を久遠の世界の研究部屋の保管庫から持ってくるつもりだったんですが、


何者かの襲撃にあって異世界の狭間に落としてしまって……」


ちなみに久遠というのは天照様と仲の良いフェイト・アカシャの一族で、


たまにやってきては、この本部にある機械やら薬物やらをいじって、


まれにとんでもないものを造り上げたりして帰っていくというやっかいな人だ。


核兵器をはるかに超える爆弾とか、四次元ポケットとか、変身ジュースとか。


「つまり、私たちがそれを拾ってこればいいわけですね?」


「祢音さんの言う通りです」


「何を落としたんですか?」


奏が質問する。


「え〜と…久遠の造った、日本の関東地区ぐらいなら軽く焼け野原にする爆弾と、


私が異世界から素材として持ってくる予定だった今は滅びた世界の産物である真実を映す鏡など、


7つのアイテムです。どれも貴重であったり危険なものばかりです。


ああ、すでにメデスさんが1つ転送してくれましたから6つですね」


「空いていたメデスには先に出てもらってます。


他の調律師はそれぞれ他の任務にあたってますので、人員を割けるのはこれだけです。


ラグナロクでほとんどの調律師が死に、独奏者のソルダート姉弟を調律師に昇格させたものの、


調律師はあなたたち3人にメデス、そしてソルダート姉弟の6人。


ラグナロクで長老様、そして4人の調律師が死にましたから。


魔玉の時と同じく、波長を感知する腕輪を渡しておきますのでそれを使って探すように。


見つけたら腕輪に近づけてください。転送されます。


他にも必要なアイテムは記録してありますのでこれで確認することができます」


腕輪を渡されいくつかあるボタンの内の一つを押すと立体映像となっていくつか表示される。


「通信機の役割もありますから何かあったら連絡するように。


それと天照様を襲撃した者が狙っていると思います。


心配ないとは思いますが十分気をつけて。では解散!」



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★  ☆ ★ ☆ ★


〜オルタナティブ本部・転移室〜


「大変なことになってるみたいだね」


任務の説明を受けて部屋から出ると祢音は言った。


「それにしてもロクなもんがないな。爆弾など鏡など…」


「早く行きましょう。のんびりしている暇はないです」


「そうだな。じゃ行くぞ」


オレたちは次元転移魔法を使い、異世界へと飛び立った。



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



〜異世界・???〜


そしてオレたちが着いたのは日本の都会となんら変わりない世界。


しかも運がいいことに近くに例のアイテムもあるようで魔力を込めると腕輪がチカチカと光って反応する。


「うわぁ〜、ここ結構いい服売ってるねぇ」


祢音はガラス張りの向こうにあるピンクのワンピースを眺めてうっとりしている。


「おい、そんなことしてる暇はねぇ――ぞ!?」



ドカッ



後ろでまだへばり付いている祢音を見ながら歩いているから曲がり角で誰かとぶつかってしまった。


「いたた……」


オレとぶつかったらしい金髪の女は尻もちをついてしまっている。


「悪い。大丈夫か?」


オレはその女に手を伸ばすと


「あ、すいません。ありがとうございます」


そういって素直に掴み、立ち上がった。


「いや、余所見よそみをしていたからな。謝るのはこっちの方だ」


「いえ…私もぼーっとしていましたから。それじゃあ」


そうして去っていく女は年はオレより少し上のようでかなり長い髪をしていた。


「お兄ちゃ〜ん?もしかして一目惚れ?」


女の後姿を捉えていたオレの視界にニヤけた顔の祢音が映る。


「………いや、気のせいかもな。何でもない」


「一目惚れに気のせいなんてないよぉ〜」


妙に突っかかってくるな、こいつ。


「お姉様、別れて探した方がいいと思うのですがどうでしょうか?」


「ん、そうだね。じゃ私と奏ちゃんでペアを組むからお兄ちゃんは1人でよろしくね」


そう言って奏と肩を組む祢音だが奏は不服そうだ。


「お姉様、私は1人でも動けるぐらい成長したつもりですよ?」


と言って顔をしかめる。


「いいのいいの。私はお姉ちゃんなんだから妹の面倒を見るのが義務なんだよ」


オレはお前の兄だが面倒そこまで見きれねぇけどな。


「なら3時間後、この店の前へ集合。緊急事態やアイテム発見の場合は念話で通信。いいな」


「うん、わかったよ」


「わかりました」




ここは無月SIDEのみでお送りします。


人ごみが邪魔だからオレは誰かに見つからないようビルの屋上へ飛んだ。


今回もらった探査用の腕輪は性能が悪いのか近づいてもあまり反応が強くならない。


だがしばらくふらふらしているとようやく見つけた。


何にもないビルの屋上に無造作にポツンと鏡が置かれている。


こりゃ多分真実を映す鏡だな。


結界が張ってあるのか、普通の人には見えないようだ。


―お兄ちゃん!緊急事態!魔法使いが現れたの!―


―何人だ?―


―小さな男の子と女の子!それと、ドラゴン!!―


頭の中に響く叫びは少々痛い。


―はぁ?ドラゴン?―


辺りを見回すと遠くの方で人は2、3人ぐらいは結構でかい白いドラゴン。


ガキ2人なら余裕だろうがドラゴンだとやっかいになるかもな。


―わかった。オレは鏡を見つけた。回収したらそっちへ―


ヒュン


風を切る音とともに鏡に手を伸ばしたオレの目の前を刃が通過する。


鏡に触れる前、ギリギリで手を引っ込めたから腕を失くすことはなかったが……


―悪い。オレにも相手ができた。こいつを始末してから向かう―


―わかったよ。気をつけてね―


祢音とはそこで通信を切った。


オレの腕を切り落とそうとしたヤツは……と。


目の前を見ると剣を構えた若い女が立っていた。


鮮やかなピンクのような紫のような色をした髪を一つに束ねた女。


手には剣がある。


さっき会った金髪の女と同じくらいの年か?


年齢のわりに眼はただ者じゃないことを感じさせる。


苦戦するかもな。


「それが見えるということは魔力があるということだな。


それを使って何をするつもりだ?返答によっては少々痛い目にあってもらう」


……こいつが天照様を襲ったヤツか?


まぁいい。どちらにせよ渡すつもりはない。


「なぁに、ただ落し物を回収しに来ただけだよ」


そしてオレはレーヴァテインを取り出し、構えた。


「どうやら覚悟はできているようだな。……ゆくぞっ!」


女は真っ直ぐこちらへ走り出し、そして剣を突き出す。


「くっ」


体を左へそらして避けるとそこから剣を振り下ろす。


だが女は奥へステップし、避ける。


ちっ、やっぱそううまくはいかないか。


オレもすぐに走り出し、追いつくと剣で弾き合う。


「動きは悪くないな。むしろ良い」


「あっそ!偉そうに言うな!」


と強がっているが正直勝てるかわからない。


実力はオレと互角ぐらいか?


だがだからこそわずかな隙が殺し合いでは命とりとなる。


「はぁっ!!」


「うわっ!」


一瞬の隙を突かれ、剣で防いだものの遠くへ押し出される。


だが逆に都合がよかった。


あの女は剣を使っている。


オレがこっから魔法で攻撃すれば――


『シュランゲフォルム』


距離があったから安心していたのも束の間、女の剣がむちのように伸び襲ってくる。


「って嘘ぉ!?」


オレの脇腹辺りに一文字の傷ができる。


なんとか直撃はかわしたがやっかいだな、アレは。自在に動かせるみたいだし。


あの長さでは接近すれば元に戻さざるをえない。


一気に近づいて、斬る。


オレは再び走り出した。


そのオレの右側から剣が空を飛ぶ蛇のように襲いかかる。


キィン


オレはそれを剣で弾き返す。


2撃目、今度は正面から向かってくる。


直線的な動きなら避けるのは簡単だがここは……


オレは向かってくる剣の切っ先に手をかざす。


火球ファイアボール


ドォォン!


ギリギリで火球を放ち爆発させる。


爆発の衝撃で剣の先端辺りは女の後方へ吹き飛ぶ。


「これで、終わりだ!」


女は鞭状になった剣を剣の形へ戻そうとするが、長い分ちょい時間がかかっているようだ。


剣の届く範囲まで接近し、剣で薙ぎ払う。


女の腹に傷をつけたが後ろへ退かれこちらも致命傷とはいかなかったようだ。


「なかなかおもしろいヤツだ。…レヴァンティン!カートリッジロード!」


『エクスプローション』


レヴァンティンと呼ばれた剣から薬莢やっきょうのような物が出てくる。


すると刃に激しい炎がまとわれる。


「ふぅん。奇遇だな、オレの剣も『レーヴァテイン』って似た名前だし……」


『炎刃』


「オレも炎を使うんだな、これが」


「それは奇遇だな。奇遇ついでに名前を聞いておこう。私は機動六課ライトニング分隊副隊長、『シグナム』」


「如月無月だ」


「ゆくぞっ!」


シグナムは炎に包まれたレヴァンティンを構える。


「ああ!」


オレは炎に包まれたレーヴァテインを構える。


さて、どう攻めるか……


「紫電――!!」


「はああ――!!」




「待ってください!!」




オレとシグナムの勝負はたった一言で中断された。


そしてその声の持ち主がオレとシグナムの間に割り込む。


「? お前は……」


そいつはさっきぶつかった金髪の女だった。


さっきと服装は違っていたが間違いない。


やっぱりこいつも魔法使いだったか。


「お兄ちゃん!」


続いて祢音と奏、そしてさっき見た白いドラゴンに乗って祢音が言ってた子供2人がやってきた。


「で、どういうことか説明してもらおうか」


「う〜ん、初めはあの子たちと戦ってたんだけどね、途中であの人がやってきて


簡単に話を聞いてもらったら協力できるかもしれないって言ってくれたから」


「無闇にこっちの事情を話すな」


「だって優しそうな人じゃない?あの人」


……まぁ見えなくもない。


「君が如月無月くん?


私は時空管理局の魔導師、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官です。


少し事情を聞かせてもらっていいですか?」


途中でそう名乗る金髪の女が話しかけてきた。


「ちょっと待ってくれ。オレの上に相談する」


「そう、じゃあ終わったら声かけて」


「わかった」


ハラオウンが離れてからオレは隊長と通信を行った。


「どうしました?」


「やっかいなことかと思うんですけど時空管理局の人に出会いました。


彼らはこちらの事情を聞いて、場合によっては協力してくれると言うんですがどうしますか?」


「そうですね、時空管理局なら信頼はできます。


それに今回の事はあまり秘密にすることもありません。


ですがラグナロク関連の事はできるだけ話さないでください。


他はあなた自身に任せます。


限度を超えなければ話してもかまいません。許可します」


「わかりました。それでは」


そこで隊長との通信を切った。


「じゃ、話してみようか」


「ああ」


そしてオレはハラオウンの所まで歩きだす。


「どうでした?」


「ある程度のことなら話していいって言われたから話す」


「そう、ではまずこれを求めてる理由を教えてもらいます」


げっ!


ハラオウンの手には例の鏡が握られていた。


先に回収しておくべきだったな。


「実はだな……」


そこでオレはオルタナティブについて少し話し、


今回の任務の内容を説明した。


そしてそのリストを見せると


「なるほど、これがそのアイテムですね。


管理局のデータベースを調べれば見つかるかもしれません。


現にこれはロストロギアに指定されていますから」


「ロストロギアって何ですか?」


祢音が質問する。


オレも何かと考えていた。


「ロストロギアというのは過去に何らかの要因で消失した世界で造られた遺産の総称だ。


それらの多くがオーバーテクノロジーで造られている。危険であるため管理局が確保、管理を行っている」


ハラオウンの隣にいたシグナムが説明をした。


「へぇ〜」


ふ〜ん。


「どれも危険なものばかりですね。


このようなものを造るなんて、少し気になりますが悪用しないという言葉を信用します。


協力させてもらいますがどうしますか?」


「協力、お願いします」


オレはほんの軽く頭を下げ、祢音と奏はオレよりさらに頭を下げる。


「うん。じゃあ自己紹介でもしようか。これからしばらく一緒に過ごすことになるだろうしね」


ハラオウンが満足そうに頷くとフインキが急に柔らかくなったような気がした。


それでオレの張りつめた精神もいくらか和らぐ。


「私からするね。さっきも言ったけど、私は『フェイト・T・ハラオウン』。


時空管理局の執務官に就いてます。


今は特別に設立された機動六課で部隊付執務官と、


この4人で編成されるフォワード部隊、ライトニング分隊の隊長もやってます」


オレと同じくらいの年で分隊の隊長か、オレには無理だな。指揮力はない。


「ハラオウンさん、時空管理局っていうのは次元管理局とは違うんですか?」


「フェイトさんでいいよ。そうだね、次元管理局とは大まかな役割は同じなんだけど


時空管理局こっちの方が規模はいくらか大きいよ。


あと管理する世界も分けられているんだ。異世界の数は星ほどあるからね」


「私はライトニング分隊副隊長シグナムだ。よろしく」


続いて先ほどやり合ったシグナムが短く自己紹介。


「自分はライトニング分隊、『エリオ・モンディアル』三等陸士であります」


そして子供コンビの内まず赤髪の子供、モンディアルが自己紹介し、


「同じく『キャロ・ル・ルシエ』であります。そしてこのこはフリードリヒ」


ピンクの髪をしたルシエが紹介する。


ホントにちっこいヤツらだな、これで前線に出るフォワード部隊が務まるのか?


「オレは『オルタナティブ』所属調律師、如月無月」


「同じく!如月祢音です!よろしく!」


なんか「同じく」の所、楽しそうに言うな。


「同じく如月奏です」


奏も合わせなくていいんだけど?


「エリオくんもキャロちゃんも私たちのことは名前で呼んでいいからね。


苗字だとややこしいし。あと、そんな堅苦しくなくていいよ」


「わかりました。よろしくお願いします、祢音さん!」


「よろしくお願いします!」


「じゃあ自己紹介も済んだことだし、六課の隊舎に招待するね」


そしてオレたちはその隊舎に向かうこととなった。


鏡はハラオウンの手の中にあるまま……

どうだったでしょうか?

まぁ魔法繋がりなんでやってみたかったんですが…。

このコラボシリーズはしばらく続きます。

次回もよろしくお願いします。

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