第40話 「ほたる横丁」
えー1週間後じゃないじゃん、というツッコミはおk
まぁ長い間待たせたのにさらに待たせるのが嫌だったという半分建前とさっさと終わらせたかったのが半分です
教会の前まで来てみましたが中が騒がしいです。
何かあったのでしょうか?
とりあえず入って私たちの用を済ませてしまいましょう。
〜教会〜
「すいません。昼間に訪ねた者ですけれど…」
すると30歳前後と思われる男性が、
頭をかいて申し訳なさそうに歩いてきます。
「ああ、すまない。
話を聞くつもりだったんだが逃げられてしまってな…。
やっかいな事にほたる横丁にいるようなんだ」
「ほたる横丁ですか…」
確か…この大陸の下の方に浮いている島だったはず…。
そして教会と対立している企業の天覇の本社があるとか。
「でしたら私たちが行きます。
私たちなら関係ないですし、問題ありませんよね?」
「信用していいのか?」
「構いませんよ。捕まえるために来てますし」
「わかった。頼む。ほたる横丁まではこちらで送ろう」
「どうも」
〜飛空挺〜
「メデス、教会でもそうでしたけど、
女性ばかり見てないでちゃんと話に参加してください」
そのメデスは行き交うレーヴァテイルと思われる女性をじろじろと見ています。
「オレはサポートだからな、奏ちゃんが主に動いてくれ。
オレは忙しい」
はぁ…。
私が動いた方が都合が良さそうですね。
ほたる横丁に着いたら…どうやって捜しましょうか…。
そんなに大きくない所のようですが…。
〜ほたる横丁〜
「さて、どうやって捜すんだ?
早くしないとまた逃げられちまうぞ?」
「問題ありませんよ。妖を使いますから」
私は魔力で狼を5匹創り出しました。
半透明の、一般人には見えない狼です。
「この子たちを使って捜させます。
魔力を感じ取って捜してくれます。
魔力を持つ男性と教えてありますから見つけたら知らせてくれます。
行って」
私が言うと狼たちは散っていきます。
「魔力が切れるまで捜し続けることができます。
私の魔力も減ってしまっているので、そのつもりでお願いします」
「わかった。
じゃオレたちも捜そうぜ」
「はい」
〜数十分後〜
ウオォーーーーン
私が創った狼の遠吠えが聞こえてきました。
これは見つかったという合図。
場所は…町から外れてる?
とにかく行ってみればわかることです。
「場所がわかりました。行きましょう」
〜ほたる横丁・陸継鉄骨〜
にぎやかな町を離れて、
私たちは建築の作業現場のような鉄骨地帯をカツカツ金属音を立てて歩いています。
ここなら人気も少ないですから隠れるには丁度いいと思います。
「こんな場所にいるのか」
「はい。いるはずです」
〜パイプライン〜
ここですね。
このパイプライン、ほたる横丁と塔を繋いでいるようですね。
ここを通れば飛空挺無しでも塔を通ってネモまで行けるわけですか。
と言っても、人通りは全くありませんが…。
……パイプラインですからね。
「いるんじゃないか?あの物陰」
メデスが指さす所にわずかな気配を感じます。
近づいた所に飛び出し、殺すつもりなんでしょうか。
「さっさと終わらせてしまいましょう。
…そこにいるのはわかってます。出てきなさい」
でも標的は動こうとはしません。
じゃあこっちから動くしかないですね。
「メデスはそこで待っててください」
「オレの出番はあるのかぁ?」
「ないです」
私は一気に距離を縮めます。
すると標的…ダッジは飛び出し、ナイフを突き出してきました。
予想していたので驚きもしませんし、避けるのも簡単です。
私は攻撃を避けるとみぞおちを蹴りました。
今回の任務は殺しじゃなくて逮捕。
どうなっても生きていればいいとは思いますが
どうせなら無傷で逮捕する。
お姉様と兄さんならやってのけるはず。
なら私も…。
蹴られたダッジはというと女性である私の蹴りにもかかわらず、
軽々吹っ飛ばされてしまいました。
その姿を見ると元々小柄な体がさらに細くなっているように感じます。
飲まず食わずで過ごしていたんでしょうか?
気力も限界…と言ったところでしょうか。
「ちっ、お前ら…とうとう嗅ぎつけてきやがったか。
ぼくを捕まえに来たんだろう?」
「そうです。大人しく捕まってもらいます」
「へっ…そう簡単に捕まってたまるかよ。
檻の中なんてゴメンだ。そうなるくらいなら…」
その時、何を思ったか、ダッジはパイプラインから飛び降りました。
「!?」
すぐに下を見ましたが雲海の中に消えていく姿を一瞬見ただけでした。
「…おい!追わなくていいのか!?」
「いえ、この雲海の中は非常に危険だということなので。
それに標的は魔法を使えないようですし、おそらく生きてないでしょう。
……任務は失敗ですね。そうとわかったらさっさと帰りましょう」
足を傷つけておけばこういうことはなかったのかもしれません。
反省しつつ私たちは戻ることにしました。
戦闘無しなのはどう考えてもネタ切れ