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第35話 「友達」

〜エナ〜


「ねぇ、どうしてここがいいの?」


「何も知らない外来人に説明すると、


ここには大鐘堂に反抗してる神聖政府軍の本部があるのよ。


それに変な登場の仕方しない限り怪しまれないでしょ」


「…それにしても巻き込んじまってすまなかったな。


お前までお尋ね者だ」


「いいわよ。嫌いなヤツに嫌われたってどうってことないわ」


「……ねぇ…ここ寄ってもいい?」


話が途切れた所で久遠様が言いました。


「薬屋ですか?」


久遠様の視線の先には「薬」の看板がありました。


「どっちにしろ入るけど」


久遠様はわたしたちの意見を聞かず、さっさと入ってしまいました。


「仕方ねぇな」





〜薬屋〜


「いらっしゃーい。


あら?初めてのお客さんね。


どうぞどうぞ」


中には白い髪の女の人が嬉しそうにわたしたちを迎えてくれました。


「これ…何?」


久遠様は棚に乗っているいくつもの薬のビンの1つを持って言いました。


「それは風邪薬よ。


飲むと1時間で完治するわ。


ただ…ひどい下痢や吐き気に襲われるけどね」


うわ…そんなの売り物にしてるの…?


「もっとおもしろそうなのはないの?」


「それじゃあ…これはどうかしら」


あれ?


藍紗ちゃんがいない…。


外かな…。





〜薬屋前〜


「何してるの?」


藍紗ちゃんは空にあの首飾りを掲げて眺めているように見えた。


「見ての通り首飾り見てるの。


これはね…お父さんとお母さんの形見でもあるの」


藍紗ちゃんは突然話し始めるけど独り言みたいな感じがした。


「2人ともIPD暴走に巻き込まれて死んだの。


私はたまたま出かけてたから無事だったんだけど


家に帰った時は驚いたよ。


家がガレキの山になってて。


今住んでるのは空き家だったのを使わせてもらってる家。


蒼紗も連れて行かれたけど


どっかに隔離されてるなら


どこまでも捜しに行きたい。


何かあっても悲しむ人なんていないしね。


どこまでも深い所まで行ける」


「悲しむ人がいない…?


友達は?」


「友達はいないわ。


もしわたしが発症した時傍にいたら危ないもの。


私はずっと独り…」


寂しそう…。


それは藍紗ちゃんの声を聞けば、顔を見ればすぐにわかる。


「じゃあわたしが友達になるよ」


「え?あなたが…?」


藍紗ちゃんは目を見開いてわたしを見る。


「わたしならそんな簡単にケガしないよ。


それに一緒に捜してあげるよ。


わたしたちの目的も人捜しだしね。


レーヴァテイルは体はか弱い普通の女の子なんでしょ?


わたしが助けてあげるよ」


「でも…あなたの得になることなんて…」


「友達は自分の損得だけで動くわけじゃないよ。


藍紗ちゃんだってそうでしょ?


それに、『あなた』じゃなくて『祢音』」


わたしが指を指すと藍紗ちゃんはちょっと仰け反る。


「…わかった、祢音」


「薬屋に戻らない?」


「ん」





〜薬屋〜


「で、この2人……と、これと同じ首飾りをした女の子知らないか?」


お兄ちゃんが藍紗ちゃんとスピカさん(お店の店主です)に2人の写真と首飾りを見せます。


「見たことないわね」


「私も」


2人とも知らないみたい。


「そうか…」


「エナとラクシャクにはいないかもしれないわね。


となると…」


バサッ


薬屋の大きなのれんを押しのけて誰か入ってきました。


「スピカ…ちょっと頼み事が……て誰?」


その人は久遠様のような黒い髪を持っていたけど


身長の低い女の子でした。


「丁度いいところに来たわね、ジャクリ。


この2人、とこれとおなじ首飾りをした女の子、見たことない?」


スピカさんはお兄ちゃんの持っている写真をひったくると


入ってきた女の子に見せました。


「ん?


首飾りは知らないけど………………このトサカ男は……パスタリアで見たわね。


妙に挙動不審だったし、変な髪だったからなんとなく覚えてるわ」


「ホントか!?」


「こいつら誰?」


「まぁお客さんね。


この2人を捜してるみたい」


「そ。用が済んだならさっさと出てってちょうだい。


2人で話す事があるから」


わたしたちはその女の子に気圧されてか、


スピカさんとその子にお礼を言って出て行くことにしました。



後3話分あります。

これが終わった後も一応ネタはあります。

ですが中身が書けない状態…。

できれば早目に書き終えたいものです。

感想&評価お待ちしてます。

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