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第17話 「暇潰しで恋物語!?」

これはちょっと長くなります。

恋愛物なんですが初の試みですし、なんか付き合うまでの過程が簡単かなって思ったんですがよろしくお願いします。

〜オルタナティブ・本部〜


「退屈だなぁ…本部にいても…」


オレたちは本部のある一部屋に集まっている。


いるのはオレと祢音と奏。


祢音がベッドに寝転がり、退屈そうに天井を見ている。


「……やっぱり…退屈だなぁ…」


「なんならやってみますか?私の気分転換」


「うわっ!ビックリしたぁ」


急に扉が開き、天照様がそこにいた。


「気分転換ですか?」


「はい。ちょっとしたゲームです。どうですか?」


「行きます行きます♪」


「ではついてきてください」





「丁度ゲームをやりにいこうと思ってたんですよ。


その途中で声が『退屈だ』という聞こえてきたものですから声をかけてみたんです」


「天照様はゲームするんですか?」


「意外としますよ。こんな身ですから自由に外を出歩くこともないですしね………着きました」


するとある部屋の前で止まった。


「ここですか?」


「はい。…久遠、準備できてますか?」


部屋はかなり広かった。


水月学園の体育館の半分ぐらいの広さがある。


そこに人が入れるくらいのカプセルが10個。


そして中心に大きなややこしそうな円錐状えんすいじょうの機械がある。


久遠様と来栖がその機械をいじっている。


「できてるわよ…って、そいつらも?」


久遠様はオレたちの姿を見ると少し眉をひそめる。


まぁそれは疑問からであって嫌悪からではなさそうだ。


「はい。大丈夫でしょ?」


「まぁそのぐらいならね。え…と……5人ね。じゃ始めるわよ」


「待ってください。ゲームって言ってましたがどんなゲームなんですか?」


「簡単にいえばこれはロープレよ。仮想空間で遊ぶゲーム。


そのメットを被ってそこのベッドに寝転んでもらう。


そうすれば意識だけが仮想空間に送られて遊ぶことができるわ。


与えられた役割を疑問に思うことなくプレイできる。


言ってみるなら超リアルな夢って所かしら。


ほら、夢の中じゃ自分がどんな状況におかれても疑問に思うことはほとんどないでしょ?


そういうことよ。わかった?」


なんでそんなもんがここにあるんだよ。


「なんとなくですが…」


「百聞は一見に如かず、やってみたらわかるわよ」


オレたちはそれぞれ脳波を調べるようなメット型の機械を被り、指定されたベッドに座る。


するとガラスに覆われ、カプセル状態となる。


「今回のシチュは恋愛物、私が創ったシナリオで進むからそのつもりで」


恋愛か……オレには向いてなさそうだな。


「そうそう、無月。今回はあなたが主役よ」


「ちょ!オレはそんなのは無理ですよ!?」


「他にいないんだしいいじゃない。大丈夫よ、夢の中なんだから。


相手は……秘密。ふふふ、楽しみなさいよ」


オレの意識は眠るように途切れてしまった…




☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


この物語はフィクションであり、


実在する人物……以下略


☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★




「いいもんだな、1人で登校できるのは」


オレは如月無月。水月学園に通う普通の高校生だ。


ちなみにクラスは2−1。


現在オレは水月学園への道の途中でのんびり登校中だ。


普段は祢音と奏という妹たちも一緒に登校しているのだが、今日は何か用事があるようなので先に行った。


祢音の方はいつも隣で色々話してくるため、


基本的に朝はテンションが低いオレにとっては、1人で登校できる日というのは貴重なものだ。


今日も学園へ遅刻するギリギリまでのんびりとだらけながら朝のニュースを見ていた。


だが、せっかくの時間はある2人の人間によってぶち破られた。


「こらー!」


叫び声とドタドタと人の走る音がしたので後ろを振り返れば2人の女子が走ってきた。


主に走っているのは白色の髪をもつ方。


もう一方の黒髪女子は面倒くさそうに手を引っ張られて仕方なく、という感じで走っている。


そいつらとのすれ違い様にオレは手を握られた感触がしたかと思うと


「うわっ!」


と、オレの体は後方に引っ張られる。


「遅刻ギリギリだってのに何ボケーッと歩いてるんですか!?」


「…一応間に合うんだけど……」


「あんた不運ね。こんなのに見つかるなんて」


オレと一緒に引っ張られる女子が言った。


結局そのまま引っ張られ続け、オレは余裕で登校した。




〜水月学園・2−1〜


「疲れた…」


「珍しいね。余裕で登校してくるなんて」


自分の席に着いて早々祢音が声をかけてきた。


「なんか変なのに見つかってな…引っ張られてきた」


「へぇ…誰だろ?」


「生徒会長だよ!」


自信を持ってそう言ってきたのはメデス。


オレの友人Aだ。


「ああ!赤司邪あかしや 天照あまてらすさんだね」


生徒会長か…どうりで見覚えがあると思った。


「そう!英語を中心にほぼ全ての教科がこの学園のトップクラス。


ただ唯一、並なのが体育。体が平均より小さいせいか力を求める競技には成績が伸びないようだが、


またそこがいいというヤツも多い。


性格も明るく、男女ともに人気が高い。


さらにリーダーシップも高いため、生徒会長でもある。


そして極めつけは万人をとりこにする謳声だ!


それを聴いた者で彼女のファンにならないヤツはいない!


だがそれを聴けるのは文化祭のみ。


まれに屋上で練習していることもあり、


それを聴きに休み時間の度に屋上へ足を運ぶヤツも少なくはないというほどの謳声!」


「熱いね…」


「そして同じくして登校してきたのは双子の妹、赤司邪 久遠くおんちゃん。


姉の天照とは違い、成績は並だがそれはめんどくさがりというその性格ゆえ。


実は姉ほどの頭脳、そして身体能力を持つとまで噂される美少女だ。


性格は姉とは正反対でクールな皮肉屋。それゆえのファンも多い。


それでいつも姉の天照をからかって楽しんでいるんだ。


さらに天照と同様の謳声を持つがクールな性格のせいか姉以上にその謳声を聴ける機会は少なく、


オレでさえどこかから聴こえてきただけで、目の前で謳う所を見たヤツは聞いたことがない。


そのため、この2人は『水月の謳姫』として双璧をになっているのだ!


一度でいいからあの2人のデュエットを聴いてみたいぜ!」


「はいはい、読者への説明ご苦労さん」


「ん?読者?」


「なんでもねーよ」


「で?なんでそんなアイドルと一緒に登校してたのよ?」


祢音は完全におもしろがった顔で訊いてくる。


「ただ引っ張られてきたんだよ。遅刻するからって」


「な〜んだ。おもしろくない」


そこでチャイムがなり、ここはお開きとなった。



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