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第10話 「機動六課の休日」

〜無月SIDE〜


「お疲れ、なんだ案外ボロボロじゃねぇか」


ようやく帰ってきた祢音たちは思ったよりケガをしていた。


まぁ、なのはさんとヴィータはほとんど無傷のようだが。


さすが隊長副隊長と言った所なのだろうか。


「お姉様、大丈夫ですか?」


そんなに大事でもないのに、奏は慌てて祢音の傍に駆け寄る。


そして治癒魔法を使って祢音の顔の傷に合わせて指でなぞり、その傷を治癒する。


「こらーーーっ!!奏ちゃん!!!」


その声に振り向くと白衣を羽織った女性が怒りをあらわにして走ってきた。


女性の名はシャマル。


六課の主任医務官で、一緒に飯を食べた事が何回かあって覚えている。


「シャ、シャマル先生…」


奏はおもしろいように体をビクッとさせると恐る恐る振り向く。


「ここで治癒魔法は禁止って言ったでしょ!


魔法で治すより、自然治癒の方が体に負担がかからないの!」


切り傷一つ魔法で治癒したぐらいで、とは言わない方がいい。


いわく、程度より行動自体が重要なのだ。


「はい……すみません」


シャマル先生は丸く縮こまって頭を下げる奏を見る。


「今後は気をつけてね」


どうやら許してもらえたようだ。


「それじゃあケガした人は医務室へ行きましょ」


シャマル先生に先導されて祢音、スバル、ティアは医務室へ向かった。


「ふふ…じゃあ私たちは今回の件、はやてちゃんに報告してくるから」


「はい」


なのはさんとヴィータも去り、残ったのは医務室の方面を見つめる奏とオレ。


「んじゃ部屋戻って、祢音の帰りでも待とうぜ」


「はい…」





〜六課隊舎・無月の部屋〜


「あ、ここにいたんだ」


しばらくすると絆創膏ばんそうこうを右手の甲に貼った祢音が入ってきた。


服に隠れている分もう少し貼られているだろう。


「おつかれ」


「お疲れ様です。お姉様」


「うん。ただいま♪」


祢音はオレのベッドに座る奏の隣に同じように座る。


「明日は訓練はお休みだそうですよ。今日の分はフェイトさんの指導で午前中で終わらせました」


「じゃあ明日はのんびりできるね」





〜翌日・六課隊舎・無月の部屋〜


「さぁて、どうしましょうかねぇ」


「市街地に行くにしても案内役がいないんじゃな」


スバルとティアナは健康診断みたいなもの、と2人だけで市街地へ。


エリオとキャロはデート。


まぁ本人たちは否定していたが。


「そうだ!じゃあ隊長の誰かに案内してもらえばいいじゃん!」


祢音は顔を明るくさせてオレを見る。


「は!?忙しいから無理に決まってんだろ」


「聞いたの?」


「いや、聞いてない」


「ならわかんないじゃない!行こ、奏ちゃん」


「はい」


祢音は奏の腕を引っ張って、善は急げと言わんばかりにさっさと部屋を出ていく。


「はぁ、しかたねぇな」


そしてオレも部屋を出て行った。





〜六課隊舎・なのは、フェイト、ヴィヴィオの部屋〜


コンコン


「如月一同入りまーす」


一同って……


「はーい」


そんな祢音の声に幼い声が返ってきた。


それで声の主がヴィヴィオだとすぐにわかった。


「ヴィヴィオ入るねー」


そして部屋に入るとヴィヴィオと寮母の……確かアイナ・トライトンだっけか。


あと犬……じゃなくてザフィーラ。


なのはさんとフェイトさんはいないようだ。


「あれ?ママたちは?」


ヴィヴィオが祢音の下に駆けて来た後、祢音はしゃがんで訊く。


祢音とヴィヴィオはここ1週間ぐらいで仲良くなっていた。


普段そんなに幼い子といることなんてないのに、いつの間に扱い方を知ったんだ?


遊びに行く時は奏もいつも一緒だったみたいだから奏とも仲が良いようだ。


まぁオレはたまについていくだけだから2人ほど親交は深くないが、


一応友達として認識してくれているようだ。


「ママたちはお仕事」


「そっかぁ。じゃあ私と遊ばない?」


「うん♪」


祢音の提案に同じ調子でヴィヴィオは答えた。


「ごめんね、ザフィーラ。遊び相手とっちゃって。それとも一緒に行く?」


するとザフィーラはその体勢のまま首だけを振った。


「そ。じゃあアイナさん、ヴィヴィオと遊びに行ってきますね」


「はい。よろしくお願いします」


祢音は上にいるアイナさんに声をかけ、手をつないで笑顔で部屋を出て、それにオレと奏もついていった。




〜六課隊舎・庭〜



目の前で祢音、奏、ヴィヴィオの3人がゴムでできたドッジボールで遊んでいる。


オレはというと近くのベンチに座ってぼーっとその様子を眺めている。


さっきまでは一緒に遊んでいたがもうだらけた。


それよりも奏、もう少し笑顔で遊ぼうぜ。


何十分経ったか…そろそろ腹が減ってきたなぁを思った頃、


「ありがと、ヴィヴィオと遊んでくれて」


後ろから声がして振り向くとなのはさんがいた。


「いや、礼ならあの2人に言ってくださいよ、ずっと相手してますから」


オレは視線を3人へと戻す。


「無月くんだって遊んでくれてたでしょ?窓から見えてた。結構楽しんでるようだったよ」


「いや……まぁ…楽しかったですけど…」


そこでヴィヴィオがなのはさんに気づき、ててて、とやって来る。


「ママ!」


「ヴィヴィオ、遊んでもらってよかったね」


「うん♪」


祢音と奏も追いついた。


「ありがと。遊んでくれて」


「いえいえ、楽しかったですから」


「そうだ。お昼一緒に食べる?丁度休憩時間だから」


「はい!喜んで!!」





〜六課隊舎・食堂〜



「なのはさんは午後も仕事ですか?」


5人でテーブルを囲み、祢音は隣のなのはさんに尋ねた。


「うん、書類整理とかね。何か用事?」


「いえ、別に!仕事でしたら」


「そう、何かあったら言ってね」


「はい」


やはり無理だったな、祢音。




〜六課隊舎・無月の部屋〜



「あ〜あ、なのはさんは仕事だし、フェイトさんはどっかに行ってるし


はやてさんも仕事だろうし、何かおもしろい事ないかな〜」


と、呟くのだが期待通りにはいかず、何も起こらず淡々と時は過ぎていくのであった……




無月たちがなのはたちに勝てるヴィジョンが見えません…

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