表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

デート by涼太

待ち合わせ場所の駅へと向かった。少し早すぎたかな?とは思ったが、遅れるよりはいい。駅で百合が来るのを待った。

しばらくして百合が歩いてくるのが見えた。百合も俺に気付き、少し小走りになった。


「お待たせ。待たせちゃった?」

「ううん、大丈夫だよ」


百合はいつもよりオシャレをしている、と思う。マニキュアを塗り、髪を巻いている。化粧も少ししているのだろうか、頬がほんのりと赤かった。いつもより大人っぽくなっていた。



電車をいくつか乗り継ぎ、江ノ島に着いた。駅から水族館は少し遠かったが、話しながら歩いているうちに着いた。

ここからが今日の本番だ、俺はそう思った。

普通に繋いでいた手を、いわゆる恋人繋ぎと言われるものに変えた。

百合の方を向くと、百合は早くも下を向いていた。緊張している。しばらく百合のペースに合わせてあげることにした。


一通り見終わって、百合の行きたがっていたイルカのショーを見に行くことにした。

日曜日なだけあって、人が多く親子連れが多い。俺たちは真ん中辺に座った。


百合が俺にくっついて座ろうとしない。混んでいるし迷惑だとおもい、百合の肩を抱いて寄りかからせた。

百合がまた硬くなっている


「そんなに緊張するなって、な?」

「そうだけど…」

「せっかくのデートだし、大丈夫だから」

「うん…」


百合が俺の肩に頭をのせる。

俺がこう言うと百合は自分からしてくれる。だから、多分百合は嫌なわけではないのだと思う。だから俺は百合が緊張しなくなるまで言い続けることにした。


ショーが始まった。イルカが高くジャンプをするたびに水しぶきが飛ぶ。百合はそれに叫んだりしながら楽しんでいる。

子供みたいだな、と思った。

そんな風に楽しんでいると俺も明るくなる。

そうしているうちに終った。


その後は予定していた通り遊園地に行き、海へ向かった。夕焼けが綺麗に見えるちょうどいい時間だ。

俺たちは浜辺にある石段に腰をかけた。

再び百合を肩に引き寄せる。今度はもう硬直したりしていなかった。


「楽しかったー」

百合がそう言った。

「なー」

「いいね、ここ。凄い綺麗な所だね」

「うん。海とか綺麗だよな」

「うん」


会話が途絶えた。

俺は思い切って言ってみることにした。


「なぁ、百合?」

「ん?なに?」

「…キス…してもいい?」

「えっ…」


百合は顔を赤くしたが、すぐにこういった。


「…いいよ」


俺は百合の肩に触れ、そのまま手を背中と腰に移す。百合と目を合わせた。百合はそのまま目を閉じた。顔をゆっくりと近づけ自分の唇を百合の唇に重ねた。そしてゆっくりと離してまた百合の目を見る。

そのまま百合を抱きしめた。百合が恥ずかしがっていたからだ。


「百合?」

「…なに?」

「また来ような」

「…うん」


俺は強く百合を抱きしめた?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ