第39話 由愛目線
えぇと・・・、何が起こったんでしょう。
さっきからですね、笑がですね、・・・怒ってるんですよ。
笑ってあんまり怒ったりしないんだけど、その分怒ったときに怖い。
っていうか、怖いってもんじゃない。
笑は怒ると目つきが変わって、声まで変わって、しゃべり方も変わる。
しかも、顔がものすっごい笑顔。
いつも通りの笑顔で笑の声が低くなったら、完全にアウト。
しゃべり方が変わったら、だいぶヤバい。
笑顔から無表情になったら、逃げなきゃヤバい。
怒った表情になったら、逃げたくても逃げさしてくれない。
で、今は怒った表情。
はい、逃げれません。
ほんとに、何があったんだ・・・。
「なぁ・・・」
笑がぼそっと呟く。
普段からは想像もできないような低い声にびっくりする。
「・・・何?」
びくびくしながら答える。
まさか、『俺のことどう思う?』とか言ってこないよね?
この状況で言われたら・・・。
おおう、ヤバい・・・。
「由愛はさ、どんな恋がしたい?」
・・・まさかの『俺のことどう思う?』パターンか!!
「うーん、いや、まぁ、楽しい恋がいいんじゃない?」
「そっか、そうだよね・・・」
次は何を聞かれるんだ・・・。
と、身構えてたんだけど、
「そうだよなぁ・・・」
とか言いながら、またもとに戻ってしまった。
え、もう、ホントになんなの?
どうしたらいいの?
そのとき、ちょうど電話がかかってきた。