第37話 笑目線
「それ・・・、どういうことだよ」
俺がそう聞くと、有希は
「・・・さぁ?」
と、つぶやいた。
「それは・・・、あの・・・」
『由愛が俺のことを好き』
なんて言えないんだけど、本当のことが知りたくなる。
「知りたいんだったら、自分で聞けば?」
「え・・・」
「だって、私だってよくわかんないし。ていうか、結果を知ったうえで、聞きに行くとか・・・、ねぇ」
・・・確かに、それはカッコ悪すぎる、かな。
「・・・分かった。自分の気持ちは、ちゃんと自分で言わなきゃね」
「・・・もしだめだったら冗談ってことにしとけ」
「・・・うん」
有希が窓の方を向いてこう言った。
「そろそろかえろっか」
「うん」
ベランダを渡って部屋に戻る。
「はい、ただいまー」
「おかえりー」
机いっぱいにお菓子を広げている。
俺は遊のとなりに座った。
「・・・なぁ、もう一回曲作らない?」
遊が俺に話しかける。
「あぁ、いいな」
「俺バラードとかやってみたい」
遊はこう見えて、バンド活動には結構積極的だ。
「うーん、バラードねぇ・・・」
「なんか、切ない感じのがいいな」
切ないってどんな感じだろ・・・。
「切ないってどんな感じ?」
「うーん、やっぱ恋愛なんかな」
恋愛か・・・。
「曲はなんとかなるとして、詞はどうしようか?」
「・・・俺かこうか?」
・・・え?
「遊かけるの?」
「うん」
「・・・凄い意外」
「そう?」
「うん」
なんか遊って、・・・面白いな。
意外な一面を知ってしまった・・・。
「じゃあ、なんか書いてくるから」
「あぁ、じゃあよろしく」
中途半端に終わってしまった。何故か遊がこれから活躍しますww