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第35話 由愛目線
「ちょっ、それはマジでヤダ」
笑の声が聞こえる。
何着させようとしてんの?
「大丈夫だって」
「短いって!」
…スカートか。
あいつ何気に美脚なんだよな。
「はい、これ着ないとこれだからね」
「ひっっ!」
…マジで何着させようとしてんの?
「分かった…」
…着ちゃうんだ。
しばらく時間がたってから笑が窓から顔だけをのぞかせた。
「うわー、かわいい」
ウィッグをかぶって、メイクもガッツリやられてる。
やべ、かわいい。
「早く入って」
窓越しに有希の声が聞こえる。
…ガラっ
…一瞬の沈黙。
「……っ」
からの爆笑。
「お、おまっ、似合いすぎ!」
それはメイド服だった。
しかもひざ上何センチだ!って感じのスカート。
「もうヤダ、はずいって…」
声だけ男。
あ、心もか。
「いいよー、似合ってるよー」
「うんうん!」
…激しく同意するぜ!!
「…もう脱ぐから」
ぐったりとしながら笑が言った。
「えー、似合ってたのに…」
笑はさっさと隣の部屋に戻ってしまった。