第22話 咲目線
私の右手のそばで、ケータイが鳴った。
遊からのメールだ。
そのメールを見て、私の中で何かがはじけた。
はぁ!?
ふざけんじゃねぇ!!
ベランダを通って、遊と博樹の部屋に行く。
窓を開けて、遊の部屋に入る。
遊が何かを言う前に言ってやった。
「これは、何!?」
そう言って、携帯の画面を見せた。
そこには、
「好きです。
付き合ってください。」
って書いてある。
「…見ての通り」
「そうじゃなくって!!何で口で言ってくれないの!?」
「え?そこ?」
「え?何で?」
「じゃぁその告白は別にいいの?」
「いや、よくはないけど!!」
「え、じゃぁ付き合ってくれないの?」
「いや付き合うけど!!」
「はっ!?」
「何で口で言ってくれなかったの?」
「…今自分がなんて言ったかわかってる?」
「分かってるよ」
「え?じゃぁ、博樹はもういいの?」
「…忘れてた」
「…うん」
「どうしよう」
「別いんじゃね?俺と付き合うんだし」
「う、うん」
やっべぇ。
いきなりいろんなことが起こりすぎた。
「んじゃ、よろしくぅ」
「うん。ばいばい」
部屋を出ようとしたら、
「もう帰るの?」
手首をつかまれた。
「うん」
「え?ヤダ」
ヤダって…。
「もうちょっと話しよ」
にこぉっと笑う。
でも、意外と手はごつくって、力が強かった。
そのまま、座ってしばらく話をしてから、部屋に戻った。