第18話 笑(しょう)目線
え、なんで?
何でそんな顔してんの?
「なんかちょっとすっきりしたぁ」
「え…?」
「なんか、双子なのに似てないし、性格も似てないし、でもなんか変なことにてるの、おかしいと思ってたんだ」
「とりあえず、2人で話ししてきたら?」
有希の提案で、俺たちは2人で話をすることにした。
「ねぇ、ショックじゃないの?」
「いや…、ショックだけど、ショックじゃない」
「…意味分かんない」
「血つながってないのも、戸籍上の真っ赤な他人ってことも関係ないでしょ?笑は、私のお兄ちゃんだもん」
「そっか…」
「ねぇ、どこが似てるんだと思う?」
「へ?」
いきなり何聞いてんの…。
「私たち、どこが似てるんだと思う?」
「う~ん…、どこだろ?」
「どこだろうねぇ?」
「え!?」
「え?」
「どこか分かんないの?」
「え、うん」
何この天然。
「あっ、曲いいの出来そう?」
「どうだろ」
「なんか弾いてよ」
「いいよ」
俺は、ギターを抱えて、何かの曲を弾いた。
なんの曲かは、忘れたけど好きな曲だった。
「…この曲」
いきなり、由愛が歌いだした。
「あ…」
思い出した。
初めて作った曲だ。
めちゃくちゃへたくそで、何回も書きなおした。
何回も、由愛が歌っていた。
「久しぶりに歌った」
「うん」
「ねぇ」
「ん?」
「この曲じゃダメ?」
「何が?」
「オリジナル曲」
「俺はいいよ」
「じゃぁ、これがいい!!」
「じゃぁ、ちょっと変えなきゃな」
「私手伝うよ」
「…ありがとう」
その日俺たちは、近所に迷惑がかからないような時間まで、ずっと弾いて、ずっと歌っていた。
昔に戻ったみたいで、ちょっと懐かしかった。
こんなこと、普通に出来ることじゃないですよね。そこら辺は、大目に見てください。