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チートハンターズ 〜このゲームのチートは全て狩り尽くす〜  作者: 隈翔
シーズン1 チーター討伐チュートリアル
19/30

最後の衝突

 吹き飛ばされたオータムは黒と距離を置けたことに(たなぼただな)と喜びながら、ゆっくりと立ち上がり状況を確認する。


 闇は攻撃を加えるとすぐに黒へと飛びついており、彼はそれを受け止めてお姫様だっこをしていた。


「お兄、ごめん、遅れちゃった」


「いやいや、丁度いいぞ妹よ。獲物が弱ってきたところだ。ここからいたぶるのが、最高に楽しいんだ。違うか?」


 彼らは彼女らを放ってイチャイチャし始めている。


「お兄、お兄。それより謝らなくちゃいけないことがある」


「ん?何だ妹よ」


 彼は他人と話す時よりもずっと優しい口調で語りかけていた。


「キリュウってヤツ。ここに来てる。ほんとに強いよ」


「いやいやいや!まったくもって問題ないさ。むしろ、よく耐えたな。我が妹よ!」


 すると、キリュウもこの戦場に到着した。

 兄妹のいちゃつきをよそに、赤い傷まみれのホリーハックの隣に移動する。


「ありがとう。お兄」


「それにしても、こんなに傷ついてしまうとは……!さぞかし奴は強いんだろう?だが安心してくれ」


「うん。私も安心した」


「「二人が揃えば最高最強!!!」」


 兄妹が高らかに笑っている間に、チートハンターズたちも状況を確認し合う。


「どうだ。状況は?」


「体力は半分削りました」


 ホリーハックは一切動かずに、兄妹たちを警戒しながら状況を教えた。

 対してホリーハックの体力は残り1割。オータムの体力は残り2割。


「ああ、そうか。よくやった」


 男はそのまま二人の前に立つ。


 その背中には確かな覚悟があった。


「……そうだな。まずは諦めようか」


 おかしなことを口走っているが。





(まずい。言っていることがメチャメチャだ。ハイになってる?私が誘った時は大丈夫だって言っていたけど……)


 明らかに精神状態がおかしいキリュウを見たオータム、秋ヶ原楓は焦っていた。


(だけど、今は彼に任せるしかない)


 しかし、この場に戻ってきて、なおかつ戦う気があるのなら、止める道理はない。

 彼女はキリュウの様子を慎重に観察しながらこの戦いを見守ることにした。


「妹よ。提案だ。キリュウとやら、俺たち二人で倒さないか?どうやら奴も俺たちをソロで攻略したいようだからね」


 その会話を聞いていた兄は、妹を降ろしながら彼らなりの方針を決めている。


「ふん。そうしよう。つくづくバカだね。キリュウは」


「ああ、そうだ。俺たち最強コンビ『黒闇』に、なんと一人で勝てるわけないのにな」


「ああ、そうか───」


 自慢げな彼らの会話にキリュウが割り込む。





 俺はこれより死地に向かう。


 男は、黒衣の剣士は、二人の敵を見据えながら二刀それぞれを向けていた。

 

 あの連携は脅威だ、だから、誰かが犠牲になってでもどちらかを倒さなくちゃならない。そして、状況から見て、ここは俺の出番だ。俺だけが、攻略の糸口を掴める。

 だから、ここで死んででも切り開く。

 本当に死ぬわけじゃない。

 死ななくていいゲームなら、楽勝だ。





「これが、負け犬の遠吠えか」


 胸を張り、使命感のまま、あからさまな挑発をした。


「この────」


 黒はすぐさま矢を放つ。

 ほぼノーモーション。通常の何倍も速い一撃を。

 

 男は弾き飛ばした。


「は?」


 その事実に黒は驚きを隠せなかった。思わず目を見張り、頭が真っ白になったようでぽかん、と口を開いていた。

 同じ現象はホリーハックも行っている。ただ、彼女はあてずっぽうによる偶然だ。何十発も適当に放たれた矢を、長物を使って防いだだけである。

 だが、キリュウは違う。


「殺気だよ。ほら、頭狙ってただろう?バレバレだ」


 故意に、ピンポイントで、チートの射撃を防いでみせた。


「さて、次はどこを狙う?やってみろ、防いでやる」



 所属クラン『チートハンターズ』 

 ジョブ:剣士(セイバー)

 ユーザー名 キリュウ

 

 装備・スキル構成

  右手:アロンダイト

  左手:黒式(こくしき)

   セットスキル 流星剣戟(ステラ・ストライク)


  拳×2

   セットスキル 彗星拳戟(メテオ・ストライク)


 攻撃速度アップ×2

 攻撃力アップ×2

 


 対するチーターたちもすぐに体勢を立て直し反撃に入った。


「やるぞ、闇!!!」


 妹は彼らの間に呪いを飛ばした後、二人で足並みを揃えて強敵へと攻撃態勢に入る。 



 所属クラン『ラウンズ』 

 セブン(7位)

 ジョブ:射手(シューター)

 ユーザー名 黒

 

 装備・スキル構成

 ウルフ・ギャングスター(2枠) 

 セットスキル ファングショット

        ファングバイト

       

 攻撃力アップ×2

 攻撃速度アップ×2

 毒付与

 獣の禍傷

 

 使用チート 『弾速強化』『攻撃速度極限化』




「うん、ぼこぼこにしよう。お兄!!」


 所属クラン『ラウンズ』

 セブン(7位)

 ジョブ:魔法剣士

 ユーザー名 闇


 装備・スキル構成

 絶体絶命魔剣ティルフィング(2枠) 

  セットスキル カース・インパクト

         カース・ドライブ

       

 魔法攻撃力アップ×3

 MPアップ×3

  

 

 使用チート 『攻撃範囲超巨大化』



「「さぁ、『狩り』を始めよう」」


補足:ティルフィングの呪いは魔法攻撃力参照です。


★★★ブックマーク、感想、評価、お待ちしています!!!!!★★★

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