表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/21

episode4 準決勝開始

フードコート。


零真「ふぅ、そろそろ時間かな」

ダイゴ「このコマやっぱり使うの難しいね」

零真「うん、軸は極太なんだけど、どうしても『制動ポジション』に落ち着いちゃうからね」

零真「大会で使うとなると、『テクニック』が必要なんだよね」

ダイゴ「大会で活躍させられるかなぁ…」


子供目線にしゃがむ零真。


零真「大丈夫、活躍させるために『俺』がコーチングしたんだから!」

ダイゴ「うん♪」


リズ&葉瑠「(*´▽`*)」


ハヤテ「(くそぉ、配信さえ控えてなければ)」


ハヤテはこの後、収録が控えている様子。

リズ「さぁ、大会を開始するよ!」

葉瑠「トーナメント表も記入完了しました♪」

零真「流石、仕事が早い」


マイクを持つ零真。


零真「それでは、クロスゴマG3大会、準決勝を始めていこうと思います」

零真「今回の大会は、デパート様のご協力により、こちらのフードコートでの開催となっております」

零真「予選は『3人用スタジアム』を用いた、複数バトルでのバトルでした」

零真「準決勝からは、こちらの新スタジアム『ダブルサイクロンスタジアム』を使用します」


観戦者A「あれがこの前発売した、新スタジアムか」

観戦者B「外周のサイクロンラインと中央の『2つ目のサイクロンライン』、電動で上下に動くから予想外の動きが発生するんだよね」


子供A「僕もあれほしい~」

お母さんA「後でコマとスタジアムの売り場を見に行こうか」

子供「うん!」


零真「(反響は上々だな、後は大会を成功させるだけか…)」

ハヤテ「さて、僕はここまでしか観戦できないから、しっかり見学しなければ」


リズ「準決勝第一試合、エントリー番号111番ダイゴ君、エントリー番号99番シゲル君、スタジアムまで来てください」

ダイゴ&シゲル「ハイ!」

零真「(第一試合か)」


リズ「今回は、それぞれの保護者の方を『監督』とし、ブレーダーと監督で話し合い、『コマ選出』を行ってもらいます」

シゲル「パパ、作戦会議だ」

シゲルパパ「おう、(まぁ全く自信ないけど)」


零真「ダイゴ君、一番自信のあるコマはどれだい?」

ダイゴ「自信があるのは、やっぱり『スカーレットウイングB』、なんだけど、今日は『ティラノステップGF』を一番始めに使いたいかな」

零真「(なるほど、利き手を変えたことにより、『シュートの安定』に繋がったことで、自身が付いたか)」


零真「よし、それじゃ、1機目にティラノ、2機目にレックス、3機目にウイングで様子を見よう」

ダイゴ「わかった!」

零真「Hの戦い方については大丈夫?」

ダイゴ「うーん、もう一度確認だけお願い」

零真「りょーかい」


10分前。


零真「Hビットは角ばった極太軸が売りの『制動タイプ』のビットだ」

零真「今からやる特訓は、『制動タイプ』をシュートテクニックを使い『揺動タイプ』に変化させる」

ダイゴ「具体的にどうするの?」


少し考え込む零真。


零真「ダイゴ君は、シュートテクニックっていくつあると思う?」

ダイゴ「うーん、『斜め撃ち』『低速シュート』かな」

零真「基本的にはその2種だけど、他に古のテクニックとして、『壁撃ち』という技がある」

ダイゴ「壁撃ち?」

零真「昔のクロスゴマは今よりも攻撃型が優遇されていなかったからね」

零真「スタジアムアウトを避けるために、始めにスタジアムの壁に当てて、『スタジアムアウトしない軌道』に誘導する必要があったんだ」

ダイゴ「へぇ~」


零真「今から教えるのは、その壁撃ちに近い、『特定のポジションへの撃ちだし』だ」

零真「狙うシュートポジションはここ、左上隅のサイクロンラインを乗り越えた、安全ポジションだ」

零真「確実にそこへ到達させる必要はないけど、考え方としては、攻撃型の初動『サイクロンラインに噛み合う瞬間』そこを狙うんだ」

ダイゴ「それってどういうこと?」


零真「ようは『相手が加速する前に動きを読んで先手を打つ』ってこと」

零真「サイクロンダッシュは強力だけど、加速しなければ恐れることはない」

零真「相手の初撃を受け、逆にサイクロンダッシュを決められればカッコいいゾ」

ダイゴ「°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°」


現在。


リズ「それでは、両選手、準備はよろしいですね」

零真「ジャッジは予選と変わらず、僕が務めさせていただきます」

ダイゴ&シゲル「ハイ!」

零真「両者、対戦相手によろしくお願いしますと礼をしましょう」

ダイゴ&シゲル「よろしくお願いします!」


礼をして挨拶をする両バトラー。


シゲル父「(ちょっとしたことだけど、『スポーツマンシップ』の精神が以前より上がったよな)」

シゲル父「シゲル頑張れよ!」

シゲル「うん、頑張る!」


零真「ダイゴ君も楽しんでいこう!」

ダイゴ「うん♪」


零真「両者、1st(ファースト)コマの提示をお願いします」


「カチャ」


1つ目のコマを取り出す両者。


零真「(シゲル君はエアロラプラス3-60Eか、限定ブレードに万能型のビット)」

零真「両者のコマチェックをさせていただきます」


両者のコマを念入りに確認する零真。


リズ「(本当のジャッジみたいだな)」

葉瑠「(表情には出さないけど、きっと緊張してるよぉ)」


多くのギャラリーの中心でジャッジをする零真を心配する葉瑠。

零真「さぁ、コマチェックが環境しましたので、対戦に移りたいと思います」

零真「まずはジャンケンをしてもらい、シュートポジションを決めてもらいます」


ダイゴ&シゲル「ジャンケン、ポン!」


ジャンケンはパーを出したシゲルが勝利する。


シゲル「それじゃ僕は右側でお願いします」

零真「わかりました、ダイゴ君は左側だね」

ダイゴ「わかった」


両者シュートポジションに移動し、シューターを構える。


零真「(シゲル君はストリングシューターか、今回は大丈夫だろうけど、一応策を練るか)」


零真「(葉瑠、ちょっと、俺のバッグからストリングシューターを出しといてもらえる?)」

葉瑠「(わ、わかりました)」


ヒソヒソ話で葉瑠に用件を伝える零真。


ハヤテ「(恐らく、ストリングの弱点を考慮しての行動だろう)」


ハヤテは零真の策が何のためなのかを理解していた。



零真「それではいきますよ、観戦されている皆さんも掛け声の程、よろしくお願いします」


零真&観客「3・2・1、ゴーーシュート!!」


「シュッ」


勢いよくスタジアムにシュートされる、両クロスゴマ。


持ち手を右、引き手を左に変えたダイゴは安定したシュートから、スタジアムを駆け回る。


「ギュ、ギュギュィーーーーン」


シゲルがシュートしたベイはスタジアムに着地後、レックスに接触後、勢いよくオーバーゾーンへ飛び込む。


零真「エアロラプラス、オーバーアウト、ダイゴ君が2ポイントを獲得!」

シゲル母「ちょっと、今のはシュートミスじゃないの?」

零真「(・・?」


零真の判定に異議を唱えるシゲル母。


零真「今のバトルはですね、シュートしたコマがそのままオーバーゾーンへ入ったように見えましたが、ダイゴ君のベイと接触しました」

零真「『シュート後、そのままゾーンに入った場合はシュートミス』と判定されますが、スタジアムに着地後、相手コマと接触した場合はその限りではありません」

シゲル父「スタジアム付近でないと確認できなかっただろうけど、『ちゃんと接触していた』から今のはジャッジの判断が正しいよ」

シゲル母「(゜.゜)」


的確な解答であっけに取られるシゲル母。


ハヤテ「(流石ですね)」


零真「それでは、両者2nd(セカンド)コマの提示をお願いします」


「カチャ」


零真「(シゲル君はコバルトドレイク9-60LR、これはかなりガチなコマだな)」


左回転のコバルトドレイクはかなり強いクロスゴマだ。


零真「両者のコマチェックをさせていただきます」


再び、両者のコマを念入りに確認する零真。



シゲル父「まだ2ポイント先取されただけだ、諦めなよ」

シゲル「うん、頑張る!」


零真「ダイゴ君もリラックスして、楽しもう!」

ダイゴ「うん!」

零真「それでは、いきますよ、掛け声の程、よろしくお願いします」


零真&観客「3・2・1、ゴー-シュート!!」


「ガチッ」


シゲル「あぁっ」


突然、シューターのストリングが引っ掛かり、シュートを失敗するシゲル。


零真「(やはりか)」

葉瑠「(零真先生の読み通りね)」


シゲル「パパ、シューターが壊れちゃったよぉ」

シゲル父「こういう場合ってどうなるんでしょうか」

零真「大会規定では、『予備のシューター』がない場合は失格となります」

シゲル父「そうですか…確か予備は持ってなかったな」

シゲル「そ、そんなぁせっかくここまで来たのに」


零真「大会規定的には『失格』ですが、今回は特別に『僕が用意したストリングシューター』をお使いください」

シゲル父「よろしいんですか?」

零真「勿論、ただし、この大会が終わった後に『予備シューター含め』、シゲル君にシューターを購入していただけると約束していただけるならですが」

シゲル父「わかりました、よろしくお願いします」

零真「!(^^)!」


リズ&葉瑠「(商売上手やな)」


零真「気を取り直して、もう一度いきますよ、掛け声の程、よろしくお願いします」


零真&観客「3・2・1、ゴー-シュート!!」


「シュッ!」


勢いよくスタジアムに着地する、両者のクロスゴマ。


インパクトレックスは左隅に着地し、刹那、コバルトドレイクに接触し、サイクロンラインに噛み合う。


ダイゴ「いけ~、インパクトレックス、サイクロンダッシュだ!」


「ギュィィィーン!」


サイクロンラインに噛み合い、『制動ビット』とは思えない加速を見せる、インパクトレックス。


「ガチーーーーン!」


インパクトレックスのサクロンダッシュからの一撃がコバルトドレイクを襲う。


強烈なアタックを受けたコバルトドレイクは、最高得点のサイクロンゾーンへと吹き飛ぶ。


シゲル「あぁ、負けちゃった…」


零真「そこまで、ダイゴ選手、3ポイント獲得、計5ポイントにより、ダイゴ選手の勝利になります!」

零真「精一杯戦った両者に盛大な拍手をお願いします」


零真&リズ&葉瑠&ハヤテ&藍葉&観客「(⑉>ᴗ<ノノ゛✩:+✧︎⋆パチパチ」


シゲル父「よく頑張ったな」

シゲル「くそぉ、今度は絶対勝ってやる!」

ダイゴ「うん、またバトルしよう」


零真「それでは、両者、相手への礼と『ありがとうございました』と終わりの挨拶をしましょう」

ダイゴ&シゲル「ありがとうございました!」


観客達から盛大な拍手が鳴り響く。



零真「準決勝ですので、シゲル君はまだ『三位決定戦』がありますので、第二試合が終わるまで待機でお願いします」

シゲル「まだ対戦できるんだ~」

シゲル父「よかったな」


零真「ダイゴ君は決勝が控えているから、第二試合を観戦しよう」

ダイゴ「わかった」


ハヤテ「藍葉さん、僕はこの後、収録があるので、後はよろしくお願いします」

藍葉「あい~了解ッス」


収録のためにフードコートから離れるハヤテ。


そして、準決勝第二試合へ移る。

大牙「やっと俺の出番かよ、ふぁ~(´Д`)」


欠伸をしながら、伸びをする大牙。


零真「(いよいよ、彼の試合か、一体どんなバトラーなのか)」


ダイゴ父「使ってもらうベイはこれだ」

大牙「(ホント、子供に指定したコマ使わせてるんだな)」

大牙「了解」


タイチ「(強そうな子だな)」

タイチ父「(絶対強い子だよ)」


大牙の圧倒的プレッシャーに圧倒される親子。



コマを構える両者。


零真&観客「3・2・1、ゴーシュート!」


刹那、一瞬で相手のコマをオーバーゾーンへ叩き込む大牙。


大牙「準決勝つっても、こんなもんか」


零真「大牙、選手2ポイント獲得」

零真「(マジか」


そして、第二試合に移る。


大牙「2機目はスカーレットウイング7-60Cか、かなりガチなコマだな」

ダイゴ父「(`・∀・´)エッヘン!!」

大牙「(子供かよ…)」



次回、圧倒的強さを誇る大牙にダイゴは対抗できるのか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ