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episode1 大規模大会の交渉

零真「いやぁ~助かったよ、都内はアプリがあるとはいえ疎くてな」

藍葉「いえいえお気になさらず、んで例の件はうまくいったんで?」

彼の名は藍葉(あいば)バーチャルアイドル事務所『レインボー』に所属する男性バーチャルアイドルだ。本名のように聞こえるが、芸名である。

零真「あぁ、とりあえずは『レインボー』に潜入、もとい変わらず応援するという形で暫く活動するって感じ」

藍葉「“φ(・ω・。)フムフム...」

藍葉「まぁあんまり気負いせず、今まで通り面白い流れを舞い込んでくれれば有難いッス」

零真「りょーかい」


零真「そういえば、あれ、面白かったぞ」

藍葉「あれ?」

零真「あの、配信企画の爺やムーブの流れだよ」

藍葉「あぁあれッスか、あざッス」


スカイツリー内のうどん屋で談笑する二人。

某デパートへ向かう2人。


藍葉「(一体どこに向かってるんだ)」

零真「ここだ」


~デパートネオン、玩具売り場『コイザらス』~


藍葉「な、なんじゃこりゃーΣ(・□・;)」


玩具売り場には200人近い親子連れが密集していた。


零真「ネットで確認した通りの状況みたいだな」

藍葉「どういうこと?」

零真「今や大人気バトルホビーとして復権した『クロスゴマ』のレギュラー大会で人が異常に溢れてしまっている」

零真「1週間ほど前、某ネット掲示板で32名規模の大会で200名近い希望者で溢れ、ほとんどの子供達がバトルできず帰るということがあったらしい」

藍葉「へぇ~最近うちの男性陣でもハマってるやついたけど、子供達も遊んでるんやなぁ」

零真「(まぁその流れ、実は間接的に俺が作ったんだがな…)」


零真「藍葉、ちょっとここで小一時間くらい過ごすってことで大丈夫か?」

藍葉「う~ん、2時間後には自宅で配信したいからそれまでならOKッスよ」

零真「了解、ちょっと店の人と話してくるよ」

藍葉「(。´・ω・)ん?」


零真「ちょっといいですか?」

店員A「はい、なんでしょうか」

零真の大会内容についての交渉が始まる。


店員A「な、何、大会規模を32名から128名に枠を増やしてほしいだって…4倍じゃないか」

フロア責任者「君、一旦その子の話を聞こうじゃないか」

店員A「しゅ、主任」

零真「話の分かる方がいてよかった、では内容を話します」

零真の大会プランの説明が始まる。


~数分後~

零真「というプランです、理想論ではありますが、バトルホビーに限らず『競技大会の一例』としても実証実験する価値はあります」

フロア責任者「ふーむ、確かに一理あるが、この内容では君個人への負担が大き過ぎないかね」

零真「今回はほぼ僕が回すプランですが、ルールさえ理解すれば誰でも代役は務められると思います」

フロア責任者「わかりました、それでは開催場所については私の方から各部署に通達しておきましょう」

零真「ありがとうございます!!」

店員A「(いったい何者なんだよこの人…)」



零真「え~、クロスゴマの大会にご参加を希望される方々、希望者はこちらのリストに名前をご記入お願いします!」

スタッフ用のエプロンを付けて呼びかけをする零真。

お母さんA「あら見ない店員さんね、新人の方かしら」

子供A「わー大会出るぞー!」

零真「こちらにご記入ください」

お母さんA「あら、今日の大会はいつもより人数が多いのね」

零真「はい♪今日はお店の計らいで参加枠を多めに用意してあります」

子供A「わー大型大会だー!」


零真「ただし、参加には条件があります、会場となるフードコートにて最低1セットのランチメニューをご注文いただきます」

お母さんA「それって参加費を求めるってこと?」

零真「そうなります」

お母さんA「まぁ、お客に出費を課すなんてなんて大会かしら、あなたそんな大会を開いていいと思っているの!!」

零真「…」


店員A「主任…」

フロア責任者「まぁ見ていなさい」

零真「お言葉ですが、お客様、今の『クロスゴマ』はここ数年で一番といっていいほど流行っています」

子供A「そうだよママ、学校でもネットで皆話してるよー」

零真「説明ありがとう、現状、大会枠を増やすというのは店舗様への負担が大きく、参加枠を増やすというのはリスクが非常に高くなります」

お母さんA「だから何だっていうのよ!」

零真「つまりは、商品を一切買わない、周辺のお店で一切お金を使わないご家族が多いと店舗としてはクロスゴマの大会を安定的に開催するのが非常に難しいというお話です、お客様はジャンクフード店で水だけを注文して帰宅するといった行為はしないでしょう?」

親御さんA「そりゃ食事をしに入店しているんだから当たり前でしょ」

零真「1年前から開発チーム側からも店舗さんへの還元については幾度となく触れられています、ですが、未だにその点が解決されていないのが現状です」

お母さんA「だからって私達が代金を支払うなんておかしいじゃない」

その言葉を聞き、鬼の形相になる零真。

零真「アンタたちは子供の遊び場を増やしたいとは思わないのか!参加枠が少なく抽選落ちしてバトルが出来ず帰宅する子供達の気持ちがわかるのか!etc…」

タタタタタッ!

(っ・д・)三⊃)゜3゜)'∴:.

零真「グハッ」


清楚そうなお嬢様「もう、ほっとくとすぐ暴走するんだから、ごめんなさい奥様、この人も子供達の遊び場を増やしたい一心で想いを伝えただけなんです、どうか私に免じてお許しください」

零真「いって~なぁ、なんだリズか」

この子はブリーズ・アービター(そよ風・審判者)、通称『リズ』、バーチャルアイドル事務所『レインボー』に所属する、バーチャルアイドル、俺の暴走を止めるツッコミ役と思っている人が多い。

リズ「なんだじゃないわよ、お客様には紳士な対応、いつ如何なる時も?」

零真「ポーカーフェイスを忘れるな、だろ」

リズ「わかればよろしい*( ᵕ̤ᴗᵕ̤ )*」


藍葉「100人規模の大会とか大丈夫なのかね」

葉瑠「あの二人なら大丈夫だと思いますよ~♪」

藍葉「お、君も来てたのか」

彼女は犬星葉瑠(いぬぼしはる)、俺と同じバーチャルアイドル事務所『レインボー』に所属する、バーチャルアイドルッス。

葉瑠「そりゃにい…コホン、先生の活躍はちゃんとチェックしなくちゃですから♪」

零真「お、葉瑠じゃないか」

葉瑠「( *´ᗜ`* )/」


カラカラ、フードコートにホワイトボードが運ばれる。

店員A「頼まれたホワイトボードです」

店員B「頼まれた3人用スタジアム3個、新発売のダブルサイクロンスタジアム1個です」

零真「よし、それじゃ3人で大会運営といきますか」


リズ「ちょっと待って、その大会の運営私にも手伝わせて」

零真「でも、リズはコミュ…」

(っ・д・)三⊃)゜3゜)'∴:.

零真「ヾ(⌒(_×ω×)_バタン」

フロア責任者「…」

リズ「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ、お、お気になさらず、すぐ回復しますので」


~1分後~

零真「さて、気を取り直して、それじゃ葉瑠も手伝ってくれ」

葉瑠「(´・ω・)私もですか」

零真「俺とリズで3人用スタジアムの審判と予選通過者を捌くから、葉瑠は通過者をボードに記入していってくれ、3人用スタジアムを3個使うから捌くスピードは通常よりも早いと思うけど、負担掛かっちゃうのはゴメンな」

葉瑠「任せてください( *¯ ꒳¯*)エッヘン!」

零真「それじゃ次はリズ」

リズ「ハイ♪」

零真「3人用ルールの説明をするぞ」

零真のよる3人用スタジアムのルール説明を受けるリズ。


~数分後~

零真「よし、ルールは大丈夫だな」

リズ「多分大丈夫だと思う、だけど、私が1個担当するとして、残り2個はどうするの?」

零真「あぁそれは2個とも俺が同時に審判するよ」

リズ「え(*°ㅁ°)ハッ‼」

葉瑠「リズ先輩、おに…先生は4分割で配信アーカイブをリアルタイムで把握することのできる変態ですから大丈夫です」

零真「誰が変態じゃ…」


葉瑠「大会参加希望の方はこちらの用紙に記入お願いします~」

お母さんB「今日はいつもと形式が違うんですねぇ」

葉瑠「そうなんですよ~、試験的な大会を開催することになりまして」

子供B「いつもより広いところで大会なんで凄いー♪」

葉瑠「よかったねぇ~(*´∇`*)」


出場希望者が一通り埋まり、抽選へと移行する。

零真「話には聞いていたけど、本当に定員以上の希望があるとはな」

リズ「予想はしてたんでしょ?」

零真「一昨年はここまで流行ってなかったからな、正直驚いてる」

リズ「あなたが少しは頑張ったからでしょ」

零真「そうだといいんだがな」

葉瑠「抽選と出場者のリストアップ終了しました( ̄^ ̄)ゞ敬礼!」


零真「さすが葉瑠、よーし大会を開催するぞー!!」

リズ・葉瑠「フォ━━━━ヽ(゜∀゜ )ノ━━━━!!!!」


次回、いよいよ大規模大会が始まる。

藍葉「あの三人、大会運営とか大丈夫なんだろうか…」

猫山「まぁあの人がいるんだから大丈夫でしょ」

藍葉「あんた誰?」

猫山「あ、こっちの話ではまだ登場してなかった…」

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