episode5 準決勝第2試合
レインボー学園、教員宿舎。
「ズギューン」
スタジアムに撃ち出されるクロスゴマ。
零真「…」
納得いかなそうな表情を浮かべる零真。
それを遠目で眺める人影。
リズ「あれ、なにやってるの?」
葉瑠「5月に開かれる『大型予選大会』に向けて、調整されているんですよ」
リズ「零真ってここ最近、複数のTCGもやってるんじゃ」
葉瑠「先生は『今年は遊んでる全コンテンツを全力でやる』んだそうです」
リズ「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ…また御冗談を」
超真面目な表情になる葉瑠。
リズ「(マジなんだ…)」
零真「うーむ、ネットを調べてもブレードの相性までは載ってないなぁ」
零真「仕方ない、自分の持っているパーツとネット動画を見て、予測を立てるしかないか」
リズ「ところで零真にとってクロスゴマのライバルっているの?」
葉瑠「今はいないというか。先生は『中学時代の自分』が最大の強敵であり『目標』だと言ってました」
リズ「中学時代の自分?」
零真「なんだ、二人観戦してたのかよ」
葉瑠「あ、お疲れ様です」
零真「疑問に思っているなら、俺から答えるよ」
零真「子供の頃は純粋に遊んでいたが、大人になるにつれ『安定行動』『固定概念』『立場』といった『不純物』に影響されやすい」
零真「それが『弱さ』に直結したり、『自由な発想』を阻害してしまうんだ」
リズ「確かに大人になると『単純に楽しむ』ことを忘れがちだもんね」
零真「そういうこと、勝ち負けも重要だけど、それだけじゃ面白みに欠ける」
零真「つーことで、俺は練習に戻る。時間が来たら教えてくれ」
葉瑠「了解(`・ω・´)ゞ」
クロスゴマの練習に戻る零真であった。
イベント会場、フードコート。
準決勝第2セット。
大牙「んで、次は何を使うの?」
ダイゴ父「次はこれだ、ブルードラグーン9-60Eだ」
大牙「(捻りのないカスタムだな)」
大牙「りょーかい」
タイチ「このコマでいこうと思うんだけど、お父さんどう?」
タイチ父「うん、いいと思うよ、次も頑張ろう」
零真「タイチくんが選んだのは、グランバスター1-60GFか」
リズ「あのコマ強いの?」
零真「一点集中の超攻撃型コマだね、早期決着を狙う感じかな」
リズ「あの子に扱えるの?」
零真「うーん、相手が大牙くんだからなぁ」
次のセットへ向けて話し合うタイチ親子。
零真「(いい光景だな)」
リズ&葉瑠「(嬉しそうな顔してるなぁ)」
零真「さぁ、そろそろ第2セットを開始しますよ~」
2-0で大牙のリードで第2セットが始まる。
零真「それでは、皆さん掛け声の程、よろしくお願いします」
零真&観客「3・2・1、ゴーーシュート!!」
「シュ、ギュイーン!」
両者のコマがスタジアムに着地する。
タイチ「いけ~、グランバスター!!」
グランバスターがサイクロンラインに噛み合い、ブルードラグーンに襲い掛かる。
大牙「フン、甘いな」
斜めシュートされたブルードラグーンはグランバスターのサイクロンダッシュを紙一重で回避する。
「ギュイーン、ギュルルル」
アタックを交わされたグランバスターはオーバーゾーンへと落ちていった。
零真「そこまで、ポイント4-0、よって準決勝第2試合は大牙選手の勝利となります」
零真「精一杯戦った両者に盛大な拍手をお願いします」
零真&リズ&葉瑠&藍葉&観客「(⑉>ᴗ<ノノ゛✩:+✧︎⋆パチパチ」
観客達から盛大な拍手が鳴り響く。
大牙&タイチ「ありがとうございました!」
互いに一礼をして、スタジアムを後にする二人。
大牙「そのコマを使うなら、相手の行動を読んで『シュートパワー』を調整する判断力を鍛えた方がいいぞ」
タイチ「そっか、ありがとう練習してみるよ」
零真「さて、次は3位決定戦だな」
ベスト4である、タイチとシゲルが零真に近寄る。
零真「どうしたの?」
タイチ&シゲル「お兄ちゃんにアドバイスをしてほしいんだ」
零真「うーん」
二人のお父さん達へ目を向ける零真。
お父さん達「(人>ω•*)オネガイ」
零真「(´・ω・`)」
零真「仕方ない、やりましょう」
零真「二人ともカスタムをちょっと見せて」
二人のカスタムを確認し、適切なアドバイスを与える零真。
リズ「いいお兄さんしてるね」
葉瑠「まぁあの人はいつもそうですから」
藍葉「(ダンナ大変やなぁ)」
零真「よし、調整はこのくらいにして、そろそろ本番と行こうか」
タイチ&シゲル「オッケー!」
大牙「あー、早く大会終わらせて、バトルしてぇ」
ダイゴ「(口に出てるの気付いてなさそう)」
次回、3位決定戦開始!!
零真「クソォ、俺も試合したい」
リズ「零真は5月の大型大会があるじゃない」
零真「子供達がバトルしてるの見てたら、ウズウズしちゃって」
葉瑠「ジャッジに集中しましょう」
藍葉「ふぁ~(´Д`)」
零真「そういう君らも、マリカ杯が控えてるじゃん」
リズ&葉瑠「ウッ」
藍葉「まぁいつものことッスから」
零真「まぁ無理せず楽しんでいけよ」
リズ&葉瑠&藍葉「!(^^)!」