害悪ファンの妹
妹が、某アイドルグループSのファンになったらしい。
で、そのSがとあるアニメの主題歌を歌ったのだが、妹は、そのアニメのファンにSNSで喧嘩を売ってた。
そのアニメが人気になったのは、Sと自分達ファンのお陰だと。
しかも、それに同意するSファンも少なからずいて、炎上してまとめサイトも出来た。
「推しの顔に泥を塗るのは、止めなよ。Sの目に触れたら、どうすんの?」
「何それ? あたし、間違った事、言ってないんだけど?!」
アニメファンに喧嘩売ると推しが喜ぶとでも、思ってるのかな?
仕事相手とそのファンを見下すファンが居て、嬉しいとでも?
自分の推しを、そういう性格悪い人達と思ってんの?
もう、良いや。放っておこう。
推しにブロックされれば良い。
その数日後。
「え~?! D君にブロられてる!? 何で~?!」
妹は、Sの中でも一番の推しであるDにブロックされた事に気付いて、騒ぎ始めた。
「何でも何も、D君のSNSプロフィールに、『マナーが悪い人は、ファンであろうともブロックします』って書いてあるじゃない」
「そんなの知らないし、D君にマナー悪い事なんてしてない!」
「じゃあ、あんたが喧嘩売ったアニメファンの中に、D君のサブアカウントがあったとか?」
Dはあのアニメのファンだって、以前、妹が言っていた。
D自身じゃなくても、彼がフォローしているアカウントに喧嘩売ったり、アニメの名前や略称等で検索したとかで見られたり、色んな可能性がある。
「D君は、オタクじゃないし! 一緒にしないでよ~!」
「はいはい」
結局、妹は、誤タップでブロックになったと、自分を納得させていた。
その後、妹は別のアカウントを取得し、再びDをフォローした。
そして、今度はコラボ先のファンに喧嘩を売って大炎上している。
「厄介なファンが多いと仕事のオファーが減るって噂、本当かな~?」
「嘘に決まってんでしょ。……あ~! また! 何で~?! 絶対、おかしい~!」
後、何回ブロックされるんだろうね?
それでも、直らないんだろうけれど。