現代人ならば同性愛
「じゃ。私たちはここで、ケーキおいしかった」
「うん。またねー」
私は自分の口でどんな言葉がが出ているのか分からなかった。愛の失ってしまった事で心臓が痛すぎだったからだ。
この痛みを抑えるためにも今はあいつを呼ぶべきだった。携帯を強く握りついてあいつの電話番号を入力した。
あちゃ。
私があいつ電話番号などを覚えているわけがなかった。ティアニア先輩の好きな物を覚えるだけで私の脳容量使うことができる。それ以外の物に大事な脳容量を使ったら先輩に申し訳ない。
でも大丈夫。現代人ならば携帯の電話帳機能を誰でも使える。電話帳を見ればすぐ……
なぜか自分の電話にはティアニア先輩の番号しかないって事に気付く。
先輩に一目ぼれしたその日、家族を含め全ての電話番号を消し、先輩の番号だけを残しておいたかつての自分を少し恨んでみる。
あれは先輩への私の愛を自分なりに自己証明した事だったが日常生活に支障ができてしまうことに気がつくべきだった。
でも大丈夫。現代人ならばラインアプリを誰でも使える。ライン友人一覧を見ればすぐ……
友登録もできていないのか?
仕方ない。できるだけあの部屋には入りたくねぇが。
私はリビングの後ろにある門を見た。あの門の向こうには恐ろしい物がある。
少しずつ門に近づいた。門の前で一回深呼吸した後、門を開けよとする時だった。
門の向こうから先に門が開かれた。
「ドアの前で何してる?ヒスイ」
「お兄ちゃん?私がドアの前にいるのどうして分かったの?」
「どうもなんも、人の気配があれば普通分かるもんだろう」
この人は私の兄。臥西陽彩。仲は悪くない。が、問題が一つある。
「顔がよくないね。失恋でもしたのか?」
「そんなことないよ。」
勘が非常的に早い。まるでサイコメトリーでも使っているように。だから兄ちゃんの前で長く立っていたくない。
「そういえばヒスイは谷崎さんが好きだったけ。」
「ち、違うよ?ほら、谷崎先輩は女の子でしょ?私は普通に男が好きだから」
「うん。私も普通に男の方を言ったことだったけど。そのイサーニアさんって名前だったな」
「あ」
私は顔が真っ赤になってお兄ちゃんを部屋の中まで押しった。お兄ちゃんは部屋の中に押し出されながらも、
「いや、自分で勝手に自爆してくれてありがと」
とか言う。
「もうもう」
完全にお兄ちゃんを部屋にぶち込んだ後ドアを閉めろうとした。
「まって。俺に相談があったじゃないのか?」
有るけど。
有るけど。有るけど。有るけど。
もうこれ以上お兄ちゃんの前にいるとメンタルヘルスに悪いよ。
「どうせ谷崎さんにどう告白すればいいのか困っているんだろう」
「告白できない」
「まあ。今頃には同性愛も別に非難される事でもないだろう?何で悩んでいるんだ」
「先輩、付き合うんだって」
兄が目を大きく開けた。
「誰と?」
「イサーニア」
「え?」
「可笑しいでしょ?私の方がもっと可愛いのに何で、何で先輩は……」
お兄ちゃんが私の言葉を停止させた。
「まって!何か見逃した事ないか
」
「見逃した事?」
「イサーニアって、君が好きな谷崎の弟じゃねぇ?」
「あ。そう」
「それ大丈夫?」
お兄ちゃんのおかげで何か捕まえられそうだ。これだ。これが攻略ポイントなんだ。
私がイサーニアより上に立つ所。
私は近親じゃない!
「お兄ちゃんありがと!」
愛を諦めるのはまだ早い。