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まえがき
この手帳を君が見ているということは、おそらく僕は今君の近くにはいないのだろう。
君が十八才を越えたときに、君の出生について話すと約束したけれど、直接その約束を果たせなくなったことを、まずは謝らせてほしい。
この次の頁から、僕の過去と、君の母親のことについて過去から順に記してある。
それに伴い、君の人生は普通のそれとは異なるものになるだろう。
これから先の人生を平穏無事に過ごしたいのなら、この先は読まず、慈おばさんの言うことを聞いて普通に人生を送るといい。
分かってほしいのは、これは脅かしでも何でもない、警告だということ。
僕は義務としてこの手帳を残すが、できれば君にこれを読んでほしくはない。
それでも読むと言うのならば、この頁をめくってくれ。