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第09話 ソマリア沖の戦い

「駄目です船長! このままでは追いつかれます!」


「ぬうう・・・」


ソマリア近海のこの海で海賊に襲われたのは日本の貨物船『海王丸』だった。

海王丸はそれほど大きな船ではないがイギリスから日本に向かう途中に海賊に襲われたのである。

海賊と言ってもどくろのついた旗をかかげて襲ってくるのではなく小型の高速の艦船で襲ってくるのが通例だが今回の海賊は駆逐艦ほどある艦船で海王丸を追尾している。

海王丸の最大速力は26ノットに対し海賊はゆうに40ノット以上出ている。

追いつかれるのは時間の問題であった。


「くっ! 日本海軍の救援は間に合わんか・・・」


「この嵐です。 ヘリはとばせないでしょうし派遣されているはずの駆逐艦雪風は遥か遠方です」


「アメリカやヨーロッパ各国の艦船は?」


「イギリスやアメリカも空母や機動戦艦は派遣されていません。 戦闘機でもなければこの嵐の中飛べる機体は・・・」


絶望的に副長が言う。


「くっ・・・」


海王丸の船長遠藤は帽子に右手をあてた。








「総員! 切り込み用意!」


海王丸の船長が絶望に打ちひしがれていた頃、ソマリアの海賊達はそれぞれの武器を掲げて興奮していた。

何しろ相手は民間の船である。

そして、さらにアメリカと並ぶ世界最大の国家日本の船なのだ。


「へへへ、船長皆殺しにしていいですかい?」


自らのアサルトライフルを掲げながら下品そうな男が言った。


「おいおい、皆殺しにしちゃまずいだろ。人間は人質にして日本さんから身代金を巻き上げねばならないんだ」


口の周りがひげもじゃの男が言った。

彼が海賊のリーダーらしい。


「へへへ、言ってみただけですよ。 ですが奴ら機動戦艦を派遣してたりはしないでしょうね?」


「確かに機動戦艦が来れば脅威だがロシアさんがなんとかしてくれるさ」


「馬鹿な奴らですね。 まあ、俺たちにとってはいいことですが」


みるみると海王丸が迫ってくる。

後5分もかかるまい。


「よしてめえら! 日本からたんまり金を・・・」


「せ、船長! あれは!」


その時、何かが飛来し海賊の船の前方に巨大な水柱を作った。


「うわ!」


海賊たちはバランスを崩して転げ落ちた。


彼らの上空を3機の銀色の戦闘機が通過していく。




「おいおいユルゲンなんで撃沈しねえんだ!爆弾なんか使ってよ」


「海賊はなるべく捕獲するようにというのがドイツの方針だ」


ヴェルナーの通信にユルゲンは機体を反転させながら言った。


「それって、ロシアが関与している証拠を掴むためよね? 意味あんの?」


例え海賊がロシアが関与していると言っても所詮は雑魚のいうこととロシアがしらを切れば終わりだ。


「フランカ、その情報を生かすのは政治家の役目だ。 俺たちは命令に従えばいい」


「でもよ、ユルゲンあいつら諦めてねえぜ」


見ると海賊の船は波を蹴りながら海王丸に迫っている。


「機銃の使用を許可する! 絶対に沈めるなよ!」


「海賊に当たっても怒んないでよユルゲン」


フランカとヴェルナーのメッサーシュミット1000が急降下で加速する。






「奴らが突っ込んできます!」


「恐れることはない! このまま船に突撃を・・・・・・」


海賊の船長がそこまで言った時だった。

2機の戦闘機が機銃を発射した。

激しい衝撃と共に船体に穴が開く。

周囲の海に水柱ができた。


「うお!撃ってきやがった!」


「船長! 奴ら停船しろといってやがりますぜ」


「くそ! どこの戦闘機だ! 日本か!」


「雨でよく見えませんがたぶんドイツでしょう。 国旗が見えました」


「ドイツだと! くそ! あのEUから脱退しやがった狂れドイツか!」


銃撃はメッセージだ。

戦闘機ならいつでもミサイルで船を破壊できる。

機銃を撃ってきたのは停船せよという言葉に他ならない。


「船長どうするんです!」


部下の言葉に海賊の船長は舌打ちした。


(情報を集めて日本やアメリカの駐留している駆逐艦がいない時を狙ったのにまさかドイツとは・・・・・・)


ここで捕まるわけにはいかない。

海賊の船長は部下に口を開いた。


「やむおえん。 停船と同時にこの打電を撃て! 虎を撃てとな」


「り、了解!」







「おいユルゲン、奴ら止まったぜ」


動力を停止した海賊船は海王丸から離れて行く。

終わったかととユルゲンが思った時だった。

航空レーダーに反応があった。


「ん? ソマリア本土から何か来る・・・・・・」


「戦闘機か? でもソマリアは無政府状態だろ? 戦闘機を飛ばせる組織なんて・・・」


「日本かアメリカが駆逐艦に戦闘機を積んでたとか?」


「ないとはいえんが・・・」


ヴェルナーとフランカの言葉にユルゲンは言った。


識別信号がない外国の戦闘機とむやみに戦うのは得策ではない。


「ガルム1よりフリードへ、交戦の許可の有無を求む」



判断は艦隊の司令にゆだねられる。








「識別信号のない戦闘機か・・・」


フリードリッヒ・デア・グロッセのCICでフレドリクはビスマルク2世の艦長カールと話をしていた。


「普通に考えれば敵だけどソマリア本土から飛んでくるなんて・・・」


「ロシアか?」


フレドリクが言う。

確かにロシアなら旧式戦闘機を海賊に与えるぐらいやるだろう。

しかし・・・・・・


「だとしても、先制攻撃は危険だよ。 仮に、エジプトやアフリカ諸国の戦闘機なら厄介な外交問題になる」


「だが、このままではガルム小隊が危ない」


決断に迫られていた。

リスクを負う覚悟で先制攻撃するか、攻撃されてから反撃するか・・・



「・・・・・・」


フレドリクは一瞬迷ってから口を開いた。






『思えばこの時の判断にはやはり迷いがあったのでしょうね・・・・・・フレドリク様』


作者「ソマリアね・・・・・・この世界のソマリアは無政府状態と言いながら実態はロシアの影響が強いと言われてるね。 証拠はないけど」


エリーゼ「この時の行動がなければあるいは・・・」


作者「うん・・・・・・かもしれないね」


エリーゼ「草薙、あなたの指でそれをなしなさい」


作者「歴史を変えると? よしやってみるか! うおおおおお!」


エリーゼ「・・・・・・」


作者「無理でした!」


エリーゼ「罰です」


作者「ひぎゃあああああああ!」


キュイイイイイイイン

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